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「すみません、すみません!」床いっぱいに荷物が散らばった車内。だが、17歳の高校生の行動で空気が一変

  • 2026.8.30
「すみません、すみません!」床いっぱいに荷物が散らばった車内。だが、17歳の高校生の行動で空気が一変

床いっぱいに荷物が散らばった

高校生のころ、通学に使っていた電車での出来事です。

その日は雨で、時間も遅く、車内には仕事帰りらしい人が大勢乗っていました。濡れた傘を手にした人も多く、みんな疲れた顔で黙って揺られていました。

電車が大きく揺れたのは、そんなときです。

少し離れたところで、「あっ」と声がしました。

見ると、立っていた女性が持っていた紙袋の底が破れ、中に入っていた物が床へ散らばっていました。

ペットボトルや箱、袋に入った日用品が座席の下まで転がっていきます。

「すみません、すみません!」

女性は慌ててしゃがみ込み、一人で拾い始めました。

周りの人も気づいていました。ただ、混んだ車内でどう動けばいいのか分からないのか、足元を見ながら少し場所を空けるだけでした。

私も最初は動けませんでした。

知らない人に急に声をかけるのは、17歳の私には少し勇気が必要でした。

けれど、女性が何度も「すみません」と言いながら、座席の下へ手を伸ばしているのを見て、気づけば私もしゃがんでいました。

「大丈夫です。私も拾います」

女性が驚いたように顔を上げました。

「えっ……あ、ありがとう。ごめんなさいね」

「全然。こっちにもあります」

私は足元に転がっていた物を拾い、女性の手元へ集めました。

「じゃあ、こっちは私が取りますね」

すると、隣に立っていた男性もしゃがみました。

「これもですよね?」

「はい。すみません、本当に……」

「大丈夫ですよ。揺れましたからね」

男性が座席の下へ転がった物を拾うと、今度は反対側から女性の声がしました。

「じゃあ、こっちは私が取りますね」

さらに別の人が、散らばった荷物を踏まないように周囲へ声をかけます。

「すみません、ちょっとだけ足元空けてもらえますか」

「あ、はい。どうぞ」

さっきまでほとんど誰も動いていなかったのに、一人、二人と手を貸す人が増えていきました。

数分もしないうちに、散らばっていた物は全部集まりました。

ただ、紙袋はもう使えません。

女性が困った顔で荷物を抱えていると、先ほどの男性が自分の買い物袋を一枚取り出しました。

「これ、よかったら使います?」

「いいんですか?」

「ええ、どうぞ」

女性は何度も頭を下げました。

「本当に助かりました。みなさん、ありがとうございます」

私も立ち上がりながら、ようやく少し緊張がほどけました。

何か特別なことをしたわけではありません。ただ、床に落ちた物を拾っただけです。

それでも、最初にしゃがむまでは少し勇気がいりました。

あのとき周りの人たちが冷たかったわけではないと思います。誰かが動けば、「じゃあ自分も」と動けることがあります。

それ以来、困っている人を見かけて迷ったときは、できることが小さくても、とりあえず一歩だけ動いてみようと思うようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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