1. トップ
  2. エピソード
  3. 「夕飯、何か作っておいてくれ」義父に頼まれたのに食べてもらえなかった私。翌朝、知った義父の本音

「夕飯、何か作っておいてくれ」義父に頼まれたのに食べてもらえなかった私。翌朝、知った義父の本音

  • 2026.8.30
「夕飯、何か作っておいてくれ」義父に頼まれたのに食べてもらえなかった私。翌朝、知った義父の本音

お金を渡されて、私は大きな鍋を火にかけた

結婚したばかりのころ、夫と一緒に義父の家へ泊まりに行ったときのことです。

義父は一人で暮らしていて、その日は仕事へ出る前に私へお金を渡しました。

「夕飯、何か作っておいてくれ」

何が食べたいのか聞きましたが、「何でもいい」とだけ言って出かけていきました。

好みもまだよく分からなかったので、無難だと思ったカレーを作ることにしました。

慣れない台所で鍋やお玉を探しながら、大きな鍋いっぱいに作りました。夫も「これなら明日も食べられるね」と言っていました。

夕方になり、玄関の音がして義父が帰ってきました。台所へ入ってきた義父は鍋の蓋を開け、少し中を見ました。

「カレーか。今日は別のものを作るから、やっぱりいい」

義父の手には、帰りに買ってきたらしい食材の袋がありました。

そのまま冷蔵庫からいくつか材料を取り出し、自分の分だけ料理を始めたのです。

私は戸惑いました。夕食を作ってほしいと言われたから作ったのに、食べてもらえないとは思っていなかったからです。

夫は気まずそうにしていましたが、義父は特に深い意味がある様子でもありません。

できあがった料理を食べながら、普段どおりテレビを見ていました。

結局、その夜は夫と二人でカレーを食べました。残った分は冷まして冷蔵庫へ入れましたが、少しだけ寂しい気持ちは残りました。

翌朝、義父が聞いてきたのは昨日のカレーだった

翌朝、私が台所で朝食の片づけをしていると、義父が入ってきました。

「昨日のカレー、まだあるか」

思わず手を止めました。

「ありますけど…食べますか?」

「あるなら、少し温めてくれ」

冷蔵庫から鍋を出して温め、皿に盛りました。義父は何も言わずに食べ始めました。

私は洗い物をしながら、つい様子を気にしてしまいました。しばらくすると、義父がぽつりと言いました。

「うん、悪くないな」

大げさに褒められたわけでも、昨日のことを謝られたわけでもありません。それでも私は少しだけほっとしました。

前の晩は、せっかく作ったものを拒まれたように感じていました。でも、義父にとっては単にそのとき別のものが食べたかっただけだったのでしょう。

もちろん、先に言ってくれればいいのに、とは思いました。ただ、一緒に暮らしたことのない家族とは、こういう小さなすれ違いもあるのだと、そのとき初めて実感しました。

それから義父の家で料理をするときは、「今日は本当にこれでいいですか」と一度確認するようになりました。義父も「今日はそれでいい」「今日は自分で作る」と先に言ってくれるようになりました。

大きな鍋でカレーを作ると、今でもあの朝の「悪くないな」という一言を思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ