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【「ガクテンソク奥田の 喋る!鎌倉時代」発売直前連載】/第1回「執筆の舞台裏と、日本史を好きになった原体験」【奥田修二インタビュー】

  • 2026.8.28

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ガクテンソクの奥田修二氏が、自身初となる歴史本『ガクテンソク奥田の 喋る!鎌倉時代』を9月24日に上梓する。「日本史の語り手」としても動画がバズりまくっている奥田だが、並々ならぬ情熱を傾けて書き上げた今作は392ページという大ボリューム。多忙を極めるお笑いの仕事と並行しながら、どのようにしてこの力作を生み出したのだろうか。この本の制作の舞台裏を全4回の連載でお届けします。第1回は、奥田と日本史の出合いについてお届けします。

夜中2時3時くらいまでずっと書いていた

――初校を読ませていただいたんですが、とにかくすごい熱量とボリュームに圧倒されました。芸人のお仕事がある中で、どうやって執筆の時間を作ったんですか?

奥田さん(以下、奥田):外に飲みに行く時間を減らしましたね、完全に(笑)。仕事を終えて家に帰ったら、ひたすら書くという生活でした。

――奥田さんは書くのは早いほうなんですか?

奥田:(執筆のために)パソコンの前に座るまでがとにかく長かったんですよ。僕、昔から勉強を始めようって時に、急に部屋の模様替えをしちゃうタイプの学生やったんです。「勉強に手がつかないのは部屋のレイアウトが悪いからや」とか、適当な理由をつけてはやらへん、みたいな(笑)。今回も、さあ書くぞってなってから、1時間くらいダラダラしてようやく始めてました。でも、いざ書き始めたら、眠くても結構書き続けられましたね。夜中の2時3時くらいまでずっと書いていたと思います。

――それはすごい情熱ですね。

奥田:何なんだろう……歴史が題材ですから、調べる時間があるじゃないですか。で、調べてわかったことを「忘れる前に書いてしまわなアカン」というプレッシャーがあるんですよ。調べたら、その章を書き終わるまではワンセットにしないと忘れてしまう。だから、始まってしまえばもうバーっと一気に意外といけるタイプでしたね。

会話の創作は、漫才を作っている感覚とすごく似ている

――漫才のネタ作りと執筆は、奥田さんの感覚として似ているものなんですか?

奥田:今回の本は、史料には残っていない「鎌倉時代の偉人たち」の会話の創作が、大きなテーマの一つなんです。「喋り」が僕の仕事ですし、会話があるとやっぱり圧倒的にその人物への思い入れが生まれるので。「このお堅い口調で、あえてこの横文字が出てきたら面白いよな」とか「ここら辺ちょっと説明が長くなりすぎたから、そろそろ一発ボケを挟まないと気持ち悪いな」とか。そういう意味では、漫才を作っている感覚とすごく似ていました。真面目に語る部分と、あえて崩す部分の緩急をつけるのがとにかく楽しかったです。

――普段、ネタは紙に書くんですか? それともパソコンですか?

奥田:パソコンですね、昔からずっと。だから「書く」という行為自体への抵抗感は全然なかったです。ネタを書く芸人はみんなそうなのかもしれません。ただ、ネタを書く芸人の中でも、僕は結構きっちりと台本にするタイプなんですよ。例えば千鳥の大悟さんなんかはメモすらしなくて、楽屋で「こんな感じでやろう」って口頭で説明して、「とりあえずやってみよう」っていうタイプなんです。だから、ネタを書く人なら誰でも本が書けるかというと、また別の話やなとは思います。大悟さんは「思い出せへんようなことは、大したことじゃない」っていう思想の人なんで、思いついても書きもしない(笑)。いろんなタイプの人がいますけど、僕はきっちり書く派です。

――「芸人として十分ご飯を食べられている奥田さんが、なぜわざわざ本を書くんだろう?」と不思議に思う人もいるかと思います。

奥田:それで飯を食っている本職の小説家の方々が背負っているような、ダイレクトなプレッシャーが僕にはないですからね。純粋な趣味として楽しんで書くことができています。僕自身が子供の頃に好きになってずっと触れてきた日本史を、本という形で世に出す機会をいただけるなら「ありがたいな」という感覚でした。

原点は、小学生の時にハマった食玩『戦でござる!チョコ』

――奥田さんが歴史好きになったきっかけは、何だったんですか?

奥田:おまけに武将の人形がついてくるお菓子があったんです、ロッテの『戦でござる!チョコ』というものなんですけど。小学生の頃、両親が共働きやったんで、ばあちゃんとよく買い物に行ってたんですけど、おもちゃ単体は「いらんもん買うて」と買ってくれない。でも、こういう歴史系の食玩やと、買ってくれたんですよ。その人形に、「那須与一」とか名前が書いてあってね、手に入れた40体くらいの人形の名前を、小3の僕が全部覚えたんです。そしたら親や周りの大人に「習ってもない日本の武将の名前をスラスラ言うて、凄いな!」とめちゃくちゃビックリされたんです。

――思わぬ成功体験ですね。

奥田:その「褒められた」という体験が嬉しくて、脳に快感として刻まれた(笑)。それで中学以降の授業でその名前が出てきても、「昔から知ってるおもちゃのあいつやん!」と、旧友に再会したような感覚で学べたのが大きかったですね。

――初校を読んで奥田さんの執筆の原点というか運命を感じたんですけど、ルーツが平氏なんですね。

奥田:母方の実家が神戸なんですけど、家系図が残っていて、それを調べてみたら、どうやら平家グループに繋がっているらしいとわかったんです。それを後から知って、「やっぱりな! 自分にも武士っぽい、お侍さんの血が流れてるんやな」と納得しましたし、より歴史を調べるのが面白くなりましたね。

――本題の、鎌倉時代については次回にうかがいたいと思いますが、原稿を読ませていただいて、鎌倉時代はやっぱり「諸行無常」だな、と感じましたし、それは現代社会にも当てはまる瞬間があるなあ、と感じました。ある意味では、今も侍の世と変わらない部分もあるといいますか。

奥田:今のお笑い界は、ある程度ノウハウができて平均点が高くなっているから、勝負さえしなければ生き残りやすい安定した時代やと思います。でも、僕らの上の師匠方、オール阪神・巨人師匠や亡くなられた坂田利夫師匠たちの世代は、本当の意味での「諸行無常」で「盛者必衰」の中に生きてはるなと感じますね。当時は、親が怒るときに「お前そんなアホなことばっかりしてたら、吉本に入れるぞ!」って言ってたような時代です。掃いて捨てるほどの数のアホが吉本に放り込まれて、その中で奇跡的に「お金になるアホ」として生き残ったのが師匠方なんです。凄まじい競争と淘汰をくぐり抜けて、無常の先に立っている師匠たちの背中は、歴史の勝者たちと同じくらい、めちゃくちゃカッコいいなと思います」

撮影:渡辺秀一 取材・文:栗山春香

【書籍情報】

書名:ガクテンソク奥田の 喋る!鎌倉時代

著者:奥田修二

定価:2,200円 (本体2,000円+税)

発売:2026年9月24日(木)

発売・発行:株式会社KADOKAWA

https://www.kadokawa.co.jp/product/322504001313/

【イベント情報】

発売記念お渡し会を東京・大阪で開催!

先着順ですので、申し込みはお早めに!

東京会場:芳林堂書店

https://livepocket.jp/e/jmn9t

大阪会場:TSUTAYA EBISUBASHI

https://ameblo.jp/tsutaya-4900/entry-12972217319.html

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