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夜の「一人時間」が手放せない40代・50代へ。睡眠不足を防ぐ新習慣「リバース・アラーム」

  • 2026.8.29
Andreas Rentz / Getty Images

「疲れ果てているのに、頭の中で今日やり残したタスクのリストがぐるぐると駆け巡って眠れない」。そんな経験はないだろうか?明日を充実させるためにはしっかり睡眠をとる必要があると分かっているのに、体が言うことを聞いてくれないのは、なんとも皮肉でイライラするもの。だからこそ、クールな魅力で知られる女優のケイト・ブランシェットでさえ、57歳の現在、全く同じ悩みに直面していると聞くと、少しホッとするかもしれない。

雑誌『Harper's Bazaar』のインタビューで、彼女は「朝の責任(ペットへの餌やり、犬の散歩、子供の学校への送迎など)」が多く、今では朝5時にアラームをセットしていると語っている。「みんなが寝静まって、家を独り占めできる夜遅くの時間が大好きなの」という彼女の言葉に、深く共感する人は多いはずだ。「子どもの体操着はどこ?」「夕飯は何?」「あの仕事はいつ終わるの?」と誰からも急かされない、奇跡のように静かな時間。就寝前のひとときは、1日の中で唯一「自分だけのもの」だと感じられる大切な時間なのだ。

ケイト・ブランシェットも直面した「睡眠不足」のリアル

しかし、ここで問題なのは、夜の自分時間を楽しむあまり「睡眠時間がほとんど残らない」ということだ。「1年ほど前、自分に厳しく言い聞かせたの。『本当に4時間以上の睡眠が必要よ』って」とケイトは振り返る。睡眠がなければ「常に車輪が外れかけているような状態になる」と彼女は認めている。

科学が証明!睡眠不足が心身にもたらす悪影響とは

海外で行われた既存の複数の研究をまとめた「包括的レビュー」でも、心身の健康における睡眠の重要性が改めて強調されている。研究者たちは、睡眠不足が「不安感の増大、情緒不安定、攻撃性、気分の落ち込みやうつ状態を引き起こす主要な原因である」と結論づけているのだ。イライラしやすくなったり、注意力が散漫になったり、感情のコントロールが難しくなるだけでなく、夫婦間などの人間関係における対立が増えることも予測されるという。

さらに、睡眠不足は肥満や高血圧、心血管疾患、糖尿病のリスクとも関連があることが分かっている。研究者たちが導き出した理想の睡眠時間は「1晩あたり7〜9時間」だ。この長さを確保することが、健康リスクを最小限に抑えるためのスイートスポットなのだ。

更年期や「サンドイッチ世代」のストレスが睡眠を奪う?

なぜ中年期になると睡眠が難しくなるのだろうか。多くのミッドライフ(中年期)女性にとって、睡眠を妨げるいくつもの問題が同時に押し寄せてくるからだ。プレ更年期や更年期には、寝汗やほてり(ホットフラッシュ)、不安感、気分の波といった症状が現れやすい。アメリカで行われた女性の健康に関する長期的な研究(SWAN)によると、女性の睡眠の「質」と「量」はプレ更年期から低下し始め、更年期、そしてそれ以降も低下し続けることが分かっている。

さらに、この時期の女性の多くは、育児と親の介護を同時に担う「サンドイッチ世代」の真っ只中にいる。身体的、感情的、そして経済的なプレッシャーをあちこちから受け止めながら奮闘していれば、頭がいっぱいになって睡眠の質が落ちてしまうのも無理はない。

もしあなたが今、睡眠の悩みを抱えているなら、決して一人ではないことを覚えておこう。そんなあなたに向けて、睡眠を改善するための小さな一歩「リバース・アラーム」メソッドを紹介しよう。

睡眠時間を守る新常識「リバース・アラーム」を試そう

「リバース・アラーム(逆算アラーム)」とは、起きる時間を知らせるのではなく、「就寝に向けた準備を始める時間」を知らせるアラームのことだ。アラームが鳴ったからといって魔法のように突然眠りに落ちるわけではない。このアラームの目的は、寝る前の「リラックスするための時間」を確保し、メールの返信や家事のせいで就寝時間がどんどん後ろ倒しになるのを防ぐことなのだ。

理想の睡眠時間から逆算!アラームの賢い設定方法

まずは、朝起きるために設定している通常のアラームの時間を決めよう。そこから逆算していくのだ。ここでは、ケイトを例に挙げてみよう。彼女は鶏に餌をやり、寒冷浴(コールドプランジ)をするために朝5時に起きるという。もしその前に約8時間の睡眠を確保したいなら、夜の9時にはベッドに入っている必要がある。つまり、リバース・アラームはその60〜90分前、夜の7時40分から8時の間に鳴るように設定するのが正解だ。

アラームが鳴ったら、それがクールダウンを始める合図。部屋の照明を落とし、どうしても急ぎの用事だけを済ませたら、スマートフォンを置いてテレビを消そう。まるで赤ちゃんを優しく寝かしつけるように、自分自身をベッドへと導くのだ。顔を洗い、歯を磨き、パジャマに着替えて本を開くといった、決まったルーティンを作るのがおすすめだ。

完璧を目指さなくてOK!自分を労わるマインドセット

実際に試してみると、リバース・アラームの時間を「絶対的な終了時間」にするのは必ずしも現実的ではないことに気づくはずだ。アラームが鳴っても、たたむべき洗濯物が残っていたり、返信したいメールが1件残っていたりするかもしれない。そんな時は、自分を責めないでほしい。アラームはあくまで大まかな目安であり、罪悪感を生むためのものではないのだ。ただでさえ睡眠は難しい課題なのだから、自己管理のテストにしてストレスを増やす必要はない。リマインダーとして活用できれば、それだけでも十分に役立つはずだ。

途中でつまずくこともあるかもしれないし、夜中の2時に「やり忘れた急用」を思い出して目が覚めてしまうこともあるだろう(朝になれば、大して重要なことではなかったと気づくものだ)。しかし、全体として見れば、睡眠の質は少しずつ改善していくはずだ。時に最も効果的なのは、自分の心構えを変えること。「もう1日を終わらせてもいいんだよ」と自分に優しく語りかけ、心と体がそれを信じられるようになるための十分な時間を与えてあげよう。

※この記事はイギリス版『Good Housekeeping』の翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

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