1. トップ
  2. エピソード
  3. 「一緒に探してもらえますか」商品を探すのが困難な高齢のお客さん。だが、常連の男性の行動に心温まった瞬間

「一緒に探してもらえますか」商品を探すのが困難な高齢のお客さん。だが、常連の男性の行動に心温まった瞬間

  • 2026.8.28
「一緒に探してもらえますか」商品を探すのが困難な高齢のお客さん。だが、常連の男性の行動に心温まった瞬間

ご主人だけで来られるようになった

コンビニで働いていたころの話です。以前、ご夫婦でよく買い物に来られるお客さまがいました。

二人で棚の前に立ち、「今日はこっちにしようか」などと相談しながら買い物をされる方たちでした。

顔を合わせるうちに、私も自然と覚えるようになりました。

数年すると、ご主人だけで来られることが増えました。

さらにしばらくすると、ご主人は目があまり見えなくなり、棚の商品を一人で探すのが難しくなっていました。

店に入ってこられると、決まって私に声をかけます。

「すいません、レジが落ち着くまで待ちますので、一緒に探してもらえますか」

奥さまに頼まれた豆腐や味噌などを聞き、レジの列が途切れたところで私が棚まで付き添いました。

ただ、一人で店に立っている日は簡単ではありません。商品を探している途中で別のお客さまがレジに来れば、いったん戻らなければなりません。

ご主人は急かすことなく待ってくれましたが、私はそのたびに「お待たせしてすみません」と頭を下げていました。

手伝いたい。でも、レジも空けられない。どうするのが一番いいのか分からず、いつも少し迷っていました。

列の先頭にいた人が声をかけた

ある日の夕方、ご主人が来店したとき、レジには何人かのお客さまが並んでいました。

いつものようにご主人から声をかけられましたが、すぐには動けません。

「少し待っていただけますか」

そう答えながら会計を続けていると、列の先頭にいた常連の男性が、ご主人のほうを振り返りました。

「何を探してるんですか。私も買い物するところだから、一緒に見ましょうか」

ご主人は少し驚いたあと、「飲み物と味噌を頼まれてて」と答えました。

男性は「じゃあ、こっちですね」と言い、ご主人と並んで棚のほうへ歩いていきました。

私はレジを打ちながら、その後ろ姿を見送りました。誰かが困っているからと大げさに手を貸したわけではなく、自分の買い物のついでのように声をかけたことが、かえって自然に感じられました。

今でも思い出す、さりげない一言

その後も、ご主人が来れば私はできる範囲で一緒に商品を探しました。

あの日の男性が居合わせたときには、また声をかけてくれることもありました。

一人で店に立っている以上、すべてがきれいに解決したわけではありません。

それでも、あの日だけはレジを空けずに済み、ご主人も買いたいものを見つけることができました。

困っている人を見たとき、特別なことをしなくても、自分のできる範囲で手を貸せることがあります。あの男性のさりげない声のかけ方を、私は今でもよく覚えています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ