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おもちゃの域を超えてアートへ……!レゴ®ブロック進化論

  • 2026.8.28
レゴ®アート 天の川銀河

渦巻く銀河の形状をめぐる、天の川銀河と人類の歴史

解説する人:鳥羽儀樹(天文学者)

これを作った人が、疑問に思ってくれたら嬉しいところは、なぜこの形状が判明したのか、ということです。このレゴ®ブロックには中心の左下に「You are here.」と地球の位置が示されています。銀河の中から全体を知るのは、屋内から家のを知るのと同じ。

では、どのように全体像を把握したのか。気合で星の数を数えた、というのが、その第一歩でした。1785年に天文学者のウィリアム・ハーシェルが、望遠鏡で星の数を数え、形状がわかったんです。渦巻き構造がはっきり描けるようになったのは1950年代なのですが、このセットからもそんな歴史を知ることができます。

レゴ®アート 天の川銀河
大きさ横65cm、縦40cmのアートとして飾れるセット。総ピース数は3,091個。左下には、2013年から星などを観測するガイア宇宙望遠鏡と、カニ星雲を再現したパーツ。27,980円。

ディテールを見てみると、棒渦巻き銀河の特徴の一つである中心の棒状構造、そして渦を巻く4つの腕も再現され、実際と同様に中心が盛り上がった3次元になっているのも良いところです。個人的にはぜひ銀河をシリーズ化してほしいところ。例えば2つの銀河が衝突して発生する合体銀河。形状も独特でレゴ®ブロックで再現したら面白くなるはずです。

レゴ®アート 天の川銀河
横から眺めると、レゴ®ブロックの様々なパーツが使用されている。中心の白っぽい黄色は年老いた星が集まる場所。

profile

鳥羽儀樹(天文学者)

とば・よしき/1985年生まれ。国立天文台特任助教などを経て、現在は立命館大学理工学部で准教授を務める。多波長データを用い活動銀河核などの研究を行う。好きな銀河はペンギン銀河。

途方もない時間が積み重ねた、地球が創る芸術作品

解説する人:川端正吾(編集者)

やはり目を惹かれるのは、真紅のロードクロサイト(下段中央)。コロラド州スイートホーム鉱山産に見られる、特徴的な菱形結晶を思わせる造形です。赤の深みといい、テリ感といい、こんな標本が手元にあったら夢のようだな、と思わせてくれるリアルさがありますね。

レゴ®アイデア 鉱石コレクション
インカローズ(ロードクロサイト)、蛍石(フローライト)、黄鉄鉱、アメジスト、ウォーターメロントルマリン、タンジェリンクォーツの6種を再現。飾り棚でディスプレイ可能。9,280円。

フローライト(上段右)も、イリノイ州ミネルヴァ鉱山産の「イリノイブルー」をイメージさせ、ブルータス「珍奇鉱物1」の表紙を飾った標本にどこか通じるシルエットを持っていたりして面白い。こうした、とりわけ熱烈にコレクターを惹きつけてきた標本がセレクトされているところが、愛好家の心をくすぐるのでしょう。

最小のブロックだけを使い、ひたすら積み上げて結晶を作れる仕様もあると、さらにリアルに楽しめそうですね。結晶を構成する最小単位の「単位格子」を積層して形を成すという、結晶成長の構造そのものに近づく感じで。実際、鉱物結晶が形作られる仕組みが説明される際、レゴ®ブロックが比喩として持ち出されることも多いので。

レゴ®アイデア 鉱石コレクション
王道のアメジストも、クラスター状の結晶がブロック表現とよくマッチしている。
レゴ®アイデア 鉱石コレクション
愛好家が多いスイートホーム鉱山産の結晶を彷彿とさせるロードクロサイト。

profile

川端正吾(編集者)

かわばた・しょうご/自然が生み出した芸術を独自の視点で発信するブックレーベル〈STRAIGHT〉の共同代表を務める。「珍奇鉱物」はじめ小誌の珍奇シリーズの監修、編集も務めている。

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