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「韓国文化通信」Vol.43 写真家、『OhBoy!』編集長・Kim HyeonSeong

  • 2026.8.24

今、最も“要注意”すべき韓国カルチャーを牽引するキーパーソンにインタビューし、その変化を定点観測していく本連載。第43回は、フォトグラファーとして活躍しながらも、2009年に雑誌『OhBoy!』を立ち上げ、動物愛護活動と地球環境を考える雑誌作りを続けているキム・ヒョンソンさん。

text: Keiko Kamijo / translation & coordination: Hyojeong Choi (KACHI MEDIA)

「韓国文化通信」Vol.43 写真家、 『OhBoy!』編集長・Kim HyeonSeong
BRUTUS

動物と地球の未来のための雑誌

──年代から写真家として活躍されていましたが、どのようなお仕事が多かったのでしょうか?

大学では彫塑を専攻していて、2年生の時にサンフランシスコへ留学しました。留学を決めたのは、当時アシスタントをしていたキム・ジュンマン氏に勧められたからです。彼は韓国人スターのグラビア写真の第一人者で、同時に風景写真を撮影する巨匠。先生の風景写真がすごく素敵だったので自分も撮りたいなと思ったんです。

ニューヨークもいいなと思いつつ、西海岸に興味がありました。韓国人が多いロスは避けて、サンフランシスコにしました。当時はネヴァダやユタなどの砂漠などで風景写真をよく撮っていて、自然を観察する目を養いましたね。1997年に帰国した後は、ファッションの世界で写真家として活動しています。

──2009年に愛犬を亡くされたことがきっかけで雑誌『OhBoy!』を立ち上げます。この経緯について詳しく教えてください。

振り返ってみると、子供の時から動物は暮らしの一部でした。母親が動物好きで、道端で暮らしている猫や犬を拾ってきて家で飼っていて、多い時は30匹以上の犬猫と一緒に暮らしていました。糞の始末と部屋の掃除、犬猫の世話は私の日常で、動物たちは家族とも言えるくらい身近な存在でした。

1998年に結婚して、2匹の犬と一緒に暮らし始めたんですが、先に1匹逝ってしまい、2008年に残された犬が亡くなった時、かなり精神的にまいってしまったんです。そして動物のために何か役に立てることはないか、と探し始めました。

最初は悲惨な環境にある動物たちの写真を撮って発表することも考えたんですが、私は内向的な性格だし、あまり気が進まなかった。そこで、雑誌を作って動物たちの状況を伝えようと思ったんです。

──編集方針を教えてください。

創刊時から表紙には著名人を起用しようと考えていました。なぜなら私は90年代からアイドルやモデルとの仕事も多く、彼らの絶大な影響力を知っていたからです。

今の若い世代はどんなに良いメッセージがあったとしても、ビジュアル的に目を引かないと反応しません。だから、表紙には著名人を起用し、誰もが読みたくなる特集テーマを選び、エンタメの力を借りて、動物愛護と地球環境への思いを自然な形で伝えていこうと考えています。その思いは創刊から変わりません。

『OhBoy!』の111号
『OhBoy!』の111号、TWICE・チェヨンの表紙。通算139100号。11,000ウォン~。

──どれくらいの頻度で発行されていて、編集部は何名くらいですか?

以前はもっと多かったこともありますが、現在は年6回発行しています。外部スタッフや外部の執筆陣は何名もいますが、基本的に一人で取材、撮影、執筆をしています。広告はいつでもウェルカムなんですが、現在は一切ありません。ビジネス的な観点からするとダメなんでしょうけど、私が雑誌を作る原動力というのは「動物への愛」であり、使命があると思っています。

韓国は流行がすぐに移り変わり、人気の写真家は成功すると不動産を得たり、お金持ちになる。そういう野望を持ったこともありますが、雑誌を作り始めたことで価値観が一変しました。今でもファッションフォトグラファーとして仕事をしながら、雑誌作りでは動物を取り巻く環境や地球がどうすれば良くなるかを考え続けています。

──23年からオフラインのイベント『UNSELF』を始められました。今年も開催されますか?

はい。10月くらいを予定してます。このイベントを立ち上げたのは、動物愛護のための雑誌を続けているものの、実際にシェルターなどの活動している人たちの助けになっているんだろうか?という疑問があって。もっと積極的に働きかける活動ができないかと思い始めました。

また、直接読者と会って話をするといろんなフィードバックが得られて、やりがいになる。17年間続けてきていますが、まだまだ動物虐待も多いし、彼らの環境が良くなったとは言えません。

でも、1%でも改善の可能性があれば、活動を続ける意味がある。選挙もそうですが、投票しないと何も変わりません。少しずつ認識を変えていけたらと思います。

Kim HyeonSeongが選ぶ、今の韓国を知る場所

OhBoy !コミュニケーションセンター
OhBoy !コミュニケーションセンター  『OhBoy!』の世界観が凝縮された場所。1階はセレクトされたアートブックや雑誌のギャラリー、2階はヴィーガンやエコ、アニマルフレンドリーな商品を扱う。Instagram:@ohboymagazine

profile

Kim HyeonSeong

キム・ヒョンソン/ファッションフォトグラファー、『OhBoy!』編集長、韓国ファッション写真家協会会長。1997年からフォトグラファーとして活動を始め、愛犬の死をきっかけに2009年に『OhBoy!』を創刊。23年からリアルイベント『UNSELF』も行う。

OhBoy !コミュニケーションセンター
住所:ソウル特別市麻浦区独幕路14ギル26
営:12時~20時(来店時はInstagramを確認のこと)
Instagram:@ohboymagazine

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