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「えっ、いつから…」17時台、左手の道路脇で… よく目を凝らしてみると?運転手が思わず“ヒヤリとした光景”

  • 2026.9.17
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

秋の夕暮れ時、「まだ明るいから」とヘッドライトをつけずに運転していてヒヤッとした経験はありませんか。実は、自分から道路が見えていることと、周囲から自分の車が見えていることは全くの別問題です。筆者の小さなヒヤリ体験と警察庁のデータを交え、夕暮れ時のヘッドライトの大切な役割について考えます。

「まだ明るいから」とライトをつけずに走っていた秋の夕方

時刻が17時台に差し掛かった、秋の夕暮れ時のことです。 空にはまだ十分な明るさが残っており、前を走る車や道路の白線、さらには周囲の建物なども普段通りにしっかりと見えていました。 私自身、見通しの良い道を走りながら「ヘッドライトをつけるにはまだ早い時間帯だろう」と自然に考えていたのを覚えています。

実際、自分の視界は十分に確保されているように感じられ、運転そのものに支障を覚えることはありません。 対向車とすれ違う際にも、お互いの距離やスピードを余裕を持って把握できているつもりでした。 おそらく、同じ時間帯にハンドルを握っている多くの方々が、私と同じような感覚を抱いているのではないでしょうか。 徐々に日が傾き始める季節の変わり目を感じつつ、お気に入りの音楽を流しながら、リラックスして運転を続けていました。

しかし、この「十分に周囲が見えている」という感覚こそが、夕暮れ時の運転において見落としがちな死角を生み出していたことに、この時の私はまだ気づいていませんでした。

道路脇で動いた人影と、認識が遅れたことへの小さな戸惑い

静かな住宅街の道路を走行していた時の出来事です。 進行方向の左手にある道路脇で、ふと何かが動いたような気配を感じました。 よく目を凝らしてみると、暗めの色の服を着た歩行者が道路を横断しようと立っていたのです。

その方は、決して物陰から突然飛び出してきたわけではありません。 間違いなく、私が遠くから近づく前からずっとその場所に立っていたはずです。 車との距離には十分な余裕があり、急ブレーキを踏まなければならないような危険な状況では決してありませんでした。 そのまま軽くブレーキに足を乗せ、安全に通り過ぎることができたごく普通の日常の一コマです。

それでも、私の心の中には「えっ、いつからそこに人がいたのだろう」という小さな戸惑いが生じます。 人が急に現れたのではなく、単純に私がその存在に気がつくまでに時間がかかっていただけなのかもしれません。 日常に潜むこの些細なヒヤリ体験がきっかけとなり、私は自分の運転に対するひとつの大きな疑問を抱くことになりました。

「自分が見える」ことと「相手から見える」ことは同じではない

その歩行者の姿をしっかりと確認した直後、私はすぐにヘッドライトを点灯しました。 スイッチをひねって前方を照らし出した瞬間、自分の中にひとつの大きな思い込みがあったことに気がつきます。 それまでの私は、ヘッドライトを「暗い道で自分が前を見るためだけの道具」だと捉えていたように思います。

だからこそ、まだ周囲が見えているから点灯しなくても問題ないという判断を、無意識に下していたのでしょう。 一方で、ヘッドライトにはもうひとつ非常に重要な役割が備わっています。 それは、歩行者や自転車、そして他の車に対して「ここに車がいますよ」と自車の存在を知らせるという役割です。

夕暮れ時は空に明るさが残っていても、路面や日陰は予想以上に暗くなっており、暗い服を着た歩行者はどうしても風景に溶け込みやすくなってしまいます。 「自分から道路が見えている」ということと、「周囲から自分の車がはっきりと見えている」ということは、全くの別問題であるという事実にハッとさせられました。 相手に自分の存在をいち早く知らせていれば、歩行者側もより安全な行動をとりやすくなるはずです。

日の入り時の点灯率は22.8%。データから読み解く夕暮れの死角

この体験をきっかけに、夕暮れ時のヘッドライト点灯についてさらに詳しく調べてみることにしました。 そこで見つけたのが、JAFが2014年に実施した全国調査のデータです。 当時の調査結果ではありますが、日の入り時刻におけるヘッドライトの点灯率はわずか22.8%にとどまっていました。

現在とはオートライト機能の搭載状況など事情が異なるものの、「まだ明るいから大丈夫」だと考える方が少なくないという事実は、自分の感覚とも重なる部分があります。 さらに、警察庁が発表している令和3年から令和7年までの5年間のデータによると、日の入りの前後1時間にあたる薄暮時間帯の死亡事故は、17時台から19時台に集中している傾向が見られます。

この時間帯の事故は自動車と歩行者の衝突が多く、そのうち約8割が歩行者の横断中に発生しているようです。 そして注目すべきことに、横断場所の約7割が横断歩道以外の場所となっていました。 住宅街の生活道路や見通しの良い直線の途中など、まさかここから人が渡るとは予想しづらい場所から人が現れる可能性があるのです。 だからこそ、相手に自分の車の接近をいち早く気づかせることが、お互いの安全を守り、痛ましい事故を防ぐ鍵になります。

それ以来「まだ早いかな」と思うタイミングでライトをつけている

あの日の夕暮れ時、もしも歩行者を見つけるタイミングがもう少しだけ遅れていたらと思うと、少し背筋が寒くなることがあります。 何事もなく通り過ぎた小さな出来事でしたが、それ以来、私の運転習慣は少しずつ変化していきました。 完全に暗くなって前が見えづらくなってからヘッドライトをつけるのではなく、「そろそろつけたほうがいいかもしれない」と思う段階で、意識的に点灯するようにしています。

ちょうど今の時期は、2026年9月21日から30日にかけて秋の全国交通安全運動が実施される予定であり、その重点項目の中にも夕暮れ時の早めのライト点灯が掲げられています。

秋の夕方は私たちが想像している以上に早く風景を変化させ、視認性も徐々に低下していきます。 「空がまだ明るい」という感覚は、決してライトをつけない理由にはなりません。 少し早めの点灯は、自分自身の視界をしっかりと確保するためだけでなく、何より周囲に自分を見つけてもらうための大切なコミュニケーション手段です。 夕暮れの道を安全に走るために、今日も早めの点灯を心がけていきたいと考えています。


参考
薄暮時間帯における交通事故防止(警察庁)
ヘッドライト点灯状況調査(2014年調査結果)(一般社団法人 日本自動車連盟)



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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