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「本当に2.4トンあるの…?」新型エルグランドの試乗で車のプロが驚いた、巨体を忘れさせる滑らかな走りの理由

  • 2026.9.5
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

以前、試乗の1時間待ちに直面して泣く泣く断念した新型エルグランドですが、今回は改めて販売店を訪れ、念願の試乗を果たしました。約2.4トンという大きな車体にもかかわらず、重さやエンジンの存在を意識させない滑らかな走りに驚きの連続でした。

一般道での短時間の試乗を通して、運転する人にも同乗する人にも寄り添う、次世代の快適性を備えたミニバンとしての魅力をお伝えします。

走り出しから驚き。重さを感じさせない発進

一度はあきらめた前回の訪問から数日が経ち、私は再び日産の販売店へ足を運びました。今回こそは念願の新型エルグランドのハンドルを握ることができるということで、販売店へ向かう道中からすでに期待で胸が高鳴っていました。

実際に案内された試乗車を目の前にすると、外観から伝わってくる堂々とした存在感に改めて圧倒されます。新型エルグランドは、約2.4トンにも達する非常に重量のある大型ミニバンです。これほど立派な体躯を持つ車を一般道で動かすのは、少しばかり気を使うのではないかと、最初は身構えて運転席に乗り込みました。

しかし、そのような緊張感は走り出した瞬間に心地よく裏切られることになります。アクセルペダルをそっと踏み込むと、大きな車体がスーッと自然に前に押し出されました。私自身、過去に第1世代や第2世代のe-POWER搭載車に乗った経験があるため、モーター駆動ならではの発進の滑らかさやトルク感については、ある程度予想していたつもりでした。

それでも、これほど重く大きな車が力任せに引っ張られるような無理な挙動を見せず、ごく自然に動き出す感覚には驚きを隠せませんでした。まるで車体が魔法で軽くなったのではないかと錯覚してしまうほど、発進時の重さやストレスを感じさせない見事な仕上がりになっていました。

少しの戸惑いと、エンジン始動を忘れるほどの静粛性

スムーズな発進に感動しつつ、一般道の車の流れに乗るために速度を50から60km/h程度までゆっくりと上げていきました。その過程でも、加速力に対する不満を感じる場面はまったくなく、日常的に使う速度域まで非常に滑らかに、そして力強く車体を引っ張ってくれる頼もしさがありました。

一方で、久しぶりにe-POWERの車を運転したため、アクセルペダルを離したときの回生ブレーキによる強い減速感には若干の戸惑いがあったのも事実です。ガソリン車とは異なる独特の減速が働くため、少しだけ癖があると感じられるかもしれません。とはいえ、それは決してネガティブな要素ではありませんでした。戸惑いはあったものの、すぐに以前e-POWERに乗っていた感覚を取り戻し、慣れてしまえばむしろブレーキペダルを踏みかえる回数を減らすことができる、とても便利な機能だと再確認しました。

そうして運転のリズムをつかんでリラックスしていく中で、ふとあることに気がつきました。実は試乗を始める前、第3世代に進化したe-POWERのエンジン始動音や振動がどれくらい静かになっているのかを、自分の耳と体でしっかり確認しようと意気込んでいたのです。

ところが、一般道をしばらく走って試乗を終えるころになって、「そういえばエンジンはいつ動いていたのだろうか」と、確認すること自体を完全に忘れてしまっていたことに気がつきました。走行中にエンジンが一度も始動しなかったわけではないはずですが、周囲の交通状況やその他の機能に気を配りながら運転していると、エンジンの存在をまったく意識させないほど車内が静かに保たれていたのだと思います。この静粛性の高さこそが、新型エルグランドの持つ大きな魅力の一つといえるのではないでしょうか。

路面の凹凸を軽くいなす、しなやかな乗り心地

静かな車内で快適なドライブを続けていると、次に気がつくのは足回りの優秀さでした。今回の試乗ルートには、路面の細かな荒れや、少し大きめの段差などを通過する場面が含まれていました。そうした路面状況の悪い場所を通過する際、これだけ重い車体であれば、下からガツンとした強い突き上げを感じてしまうのではないかと予想していました。

しかし、ここでもうれしい誤算がありました。路面からの衝撃を真正面から受け止めて耐えるのではなく、車体側で軽くいなして通過しているような、とてもしなやかな感覚があったのです。日産の公式情報によると、新型エルグランドにはインテリジェント ダイナミック サスペンションと呼ばれる電子制御サスペンション技術が採用されているそうです。

もちろん、この乗り心地の良さがすべてその機能のおかげだと断定はできません。しかし、細かな路面の荒れでは乗員への振動を和らげ、大きな段差では車体の揺れを抑える方向へうまく制御されているように感じられました。新しいサスペンション技術や第3世代e-POWER、四輪駆動システムのe-4ORCE、そして徹底した車体設計などが複雑に連携することで、路面からの不快な衝撃をドライバーに意識させない工夫が凝らされているのだと思います。

運転席の扱いやすさと、ラウンジのようにくつろげる2列目

走行中の乗り心地の良さだけでなく、運転席から前方を見た際の視界の広さも印象に残りました。外から見ると非常に大柄な車体に感じますが、実際に座って周囲を確認してみると、想像していたような扱いにくさを感じることはありませんでした。大型車ならではの周囲への配慮は当然必要ですが、高いアイポイントと見切りの良さのおかげで、比較的運転しやすく感じられたのは大きな発見でした。

さらに、試乗を終えた後には販売店の方にお願いをして、2列目シートにも座らせてもらいました。シートを後方までスライドさせて背もたれなどを調整してみると、そこには想像以上にゆったりとした贅沢な空間が広がっていました。個人的な感覚にはなりますが、まるで上質なラウンジでくつろいでいるような、非常にリラックスできる時間を過ごすことができました。

運転席で感じた走りの良さや静粛性に加えて、この2列目の快適な空間があれば、家族と一緒に長距離を移動する際にも疲れを感じにくく、とても快適な旅が楽しめるのではないかと感じました。運転する人だけでなく、同乗する家族全員の心地よさを大切にしている点も、この車が持つ優しさの一つなのかもしれません。

大きく重い車であることを意識させない次世代の魅力

今回、念願かなってようやく新型エルグランドに試乗することができましたが、終始驚きの連続となる体験でした。約2.4トンという重量を意識させない滑らかな発進から始まり、発電用エンジンの存在を忘れさせるほどの静粛性、そして路面の衝撃を優しくいなす乗り心地まで、さまざまな面で大きな進化を感じることができました。

外観は非常に大きく存在感のあるミニバンですが、実際に走らせてみると、その大きさや重さ、そして機械的な動きをドライバーに強く意識させないように作られています。派手な速さや力強さを主張するのではなく、乗る人すべてを優しく包み込み、自然体で運転できる空間を提供してくれるような印象を受けました。

今回は一般道での短い試乗ではありましたが、新しい足回りや第3世代e-POWERが目指している次世代の快適性の一端は、十分に体感できたように思います。もし機会があれば、読者の皆様もぜひ実際に販売店へ足を運び、この「いろいろなものを意識させない」走りの滑らかさを体験してみてはいかがでしょうか。

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ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。

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