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シルバーウィーク明けには「もう真っ暗」元教習所指導員が語る、秋の夕暮れ時に潜む“魔の時間”

  • 2026.9.24
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

シルバーウィークが明けると、日没の時間が一気に早まります。「さっきまで明るかったのに、もう真っ暗」と感じることも増えるはず。

警察庁は、日の入り前後1時間を「薄暮(はくぼ)時間帯」と定義しています。この時間帯は死亡事故が突出して多く、特に10月から12月にかけて増加する傾向にあります。

夕方は、下校中の中高生や仕事帰りの通勤客で街が混雑する時間帯。指導員の視点から、この時期特有の危険性と対策を解説していきます。

服装が夕闇に溶け込む時間帯

秋から冬にかけては、黒や紺などダークトーンの服を着る人が増える傾向にあります。制服やスーツを着た歩行者は、夕闇の中に溶け込んでしまいます。黒や紺の制服を着た中高生は、まさに発見が遅れやすい存在。自転車での移動も多く、速度が加わることでさらに見落としのリスクが高まります。

実際に学科教習では、色の異なるTシャツを壁につるし、暗い部屋を少しずつ明るくしていく体験をしてもらうことも。服の色によって「見え始めるタイミング」がまったく違うことに、驚く受講者も少なくありません。

「蒸発現象」という目の錯覚

薄暮時には、「蒸発現象(グレア現象)」と呼ばれる目の錯覚も起こります。対向車と自車のライトが交差する交差点で、横断中の歩行者が光にまぎれて一瞬見えなくなる現象です。

天候やライトの角度が重なると、人がまるで姿を消したかのように見えてしまうことも。人間の生理的な限界が背景にあります。

「見えているはず」という思い込み

「まだ自分は周囲が見えているから大丈夫」。こう考えてしまうドライバーは少なくありません。

しかし、ライト点灯の目的は視界の確保だけではないもの。歩行者や他の車へ、自車の存在を知らせる「被視認性」を高める役割も担っています。

無灯火のまま走っていると、歩行者側からの発見も遅れます。「気づいて避けてくれるだろう」という思い込みが、夕方の事故につながる大きな要因です。

対策①早めの点灯を心がける

周囲が薄暗くなる前から、点灯を意識しましょう。オートライト機能付きの車でも、手動で早めに点灯させると安心です。

「少し早いかな」と感じるくらいのタイミングが、ちょうどいい目安。自分の存在を周囲へアピールすることが、飛び出し事故の防止につながります。

対策②ハイビームをこまめに切り替える

先行車や対向車がいない暗い道では、ハイビームを積極的に活用しましょう。照射距離は、ロービームが約40mであるのに対し、ハイビームは約100m先まで届きます。

遠くの歩行者や自転車の反射材を、いち早く捉えられます。対向車や歩行者を発見したらロービームへ戻し、オートライトだけに頼らない意識を持ちましょう。

横断歩道は「止まって当然」と心得る

「横断歩道で渡ろうとしている歩行者がいれば、車は止まらなければならない」。このルール、SNSでもたびたび話題になります。しかし、基本的なルール自体を知らない人が、まだ一定数いるようです。

これは道路交通法第38条による規定。横断歩道に歩行者がいる、または渡ろうとしている場合、車には一時停止の義務があります。

薄暮時は歩行者の発見が遅れやすいぶん、「渡ろうとしているかもしれない」という前提で速度に気を付けてください。

歩行者・自転車側にできる工夫

事故を防ぐには、歩行者や自転車側の工夫も欠かせません。白系の服や明るい色の小物を身につけるだけでも、発見されやすさは大きく変わります。自転車については、ホイールに反射材を取り付けると、横方向からの視認性アップに効果的です。

スマートフォンを見ながらの歩行や自転車走行は、周囲への反応を遅らせる原因にもなります。横断時は車の動きを確認してから渡りましょう。自転車のオートライトも増えましたが、薄暗くなったら早めの点灯を心がけてください。

秋の夕方は、視認性が急速に低下する危険な時間帯です。早期点灯や防衛運転、そして歩行者側の工夫。お互いの意識が重なることで、夕方の安全を守れます。


参考:薄暮時間帯における交通事故防止(警察庁)


ライター:ちだてつし
自動車教習所の指導員・技能検定員として、23年間にわたり現場で安全運転の指導・検定を担当。現在はその専門知識と現場での実務経験を活かし、安全運転やドライブテクニックに関するWebライターとして活動中。また、ペーパードライバーや外免切り替えの事業を展開し、運転に自信のないライダーを対象に、実践的なツーリングを通して運転技術を身につける「日本ツーリングサポート協会」を設立・運営。「安全で楽しいカー&バイクライフ」を伝える発信を行っている。日本二輪車普及安全協会の二輪安全運転指導員として活躍中。


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