1. トップ
  2. 暮らし
  3. 「ほんの少しだし…」駐車場にできた“小さなシミ”を放置した50代男性の末路。走行中に聞こえた「カタカタ」の正体

「ほんの少しだし…」駐車場にできた“小さなシミ”を放置した50代男性の末路。走行中に聞こえた「カタカタ」の正体

  • 2026.9.25
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

駐車場に、見慣れない小さなシミができていたことはありませんか?「ほんの少しだし、古い車だから仕方ない」「雨水に油が混ざっただけかも」と、そのままにしてしまう人もいるでしょう。

しかし、車の下にできたシミは、重大なトラブルの始まりかもしれません。以前、50代男性の知人から、長年乗り続けている愛車について相談を受けたことがあります。普段から車検以外の整備にはあまりお金をかけたくないタイプで、今回も最初は小さな異変を気にしていませんでした。

ところが、その「小さなシミ」が、最終的にエンジン修理にまで発展してしまったのです。

駐車場にできた小さなシミを放置

最初に異変があったのは、駐車場でした。車を動かしたあと、地面を見ると小さなシミが残っていました。

「これ、何の跡だろう?」

そう思ったものの、量はごくわずか。しばらくすると乾いて目立たなくなったため、深く考えなかったそうです。

「雨水に油が混ざったのかな。まあ、これくらいなら大丈夫だろう」

ところが、それからしばらくすると、同じ場所に薄いシミができるようになりました。この段階で点検していれば、原因によってはガスケットやシールなど、比較的小規模な修理で済んだ可能性があります。

しかし、少量の漏れではエンジンオイルの量がすぐに大幅に減るとは限りません。そのため、「普通に走れるから問題ない」と判断してしまいがちです。

「カタカタ」という異音が出始めてから事態が一変

その後も車を使い続けていると、次第にオイル漏れが進行していきました。特に夏場は外気温が高く、エンジンも高温になりやすいうえ、長距離走行などでエンジンに負担がかかる場面も増えます。

そしてある日、走行中にエンジンから「カタカタ」「カンカン」という聞き慣れない音が出るようになりました。

「前は、こんな音してなかったよね?」

そこでオイル量を確認すると、明らかに減っています。車を点検すると、以前から発生していたオイル漏れが進行。さらにオイル量が不足したことで、エンジン内部の潤滑状態にも問題が生じていました。エンジンオイルには、部品同士の摩擦を減らし、エンジン内部を保護する重要な役割があります。そのオイルが不足すれば、内部の部品に大きな負担がかかります。

点検の結果、単純にオイルを補充して漏れを直せば終わり、という状態ではありませんでした。すでにエンジン内部にもダメージが及んでおり、修理規模は当初想定していたものより大きくなってしまいました。

「最初のシミの段階で見てもらっておけばよかった」

そう話す男性の言葉が印象に残っています。

「少量だから大丈夫」と判断しないことが大切

今回のようなケースで注意したいのは、オイル漏れを、漏れている量だけで判断しないということです。駐車場に小さなシミができていたら、「車から何か液体が漏れているのかもしれない」と考えてください。液体の色や臭いだけで、「これは大丈夫」と自己判断するのも避けたほうが安心です。エンジンオイルだけでなく、冷却水やブレーキフルードなど、車にはさまざまな液体が使われています。

また、オイル交換をしたばかりだからといって、オイル漏れが起きないわけではありません。「オイル交換」と「オイル漏れの修理」は別の話です。オイル交換後でも、駐車場にシミができるようなら原因を確認しましょう。日常的にオイル量を確認することも大切です。特に長距離を走ったあとや、暑い時期に車を酷使したあとには、いつもと違ったシミがないか車の下を確認しておくと安心です。

そして、「カタカタ」「カンカン」など、エンジンから普段とは違う異音が出た場合は要注意です。「音はするけど走れるから」と乗り続けるのではなく、できるだけ走行を控えて点検を受けましょう。オイル警告灯が点灯した場合は、さらに注意が必要です。警告灯を無視して走行を続けると、エンジンに深刻なダメージを与える可能性があります。

小さなシミを見つけた時点で原因を確認することは、結果的に大きな修理費を防ぐことにつながります。「少量だから大丈夫」ではなく、「なぜ漏れているのか」を確認する。これを意識しておくだけでも、愛車のトラブルを早期に発見しやすくなるでしょう。今回の男性のように、数千円程度の点検を後回しにした結果、エンジン本体の修理が必要になれば、節約したつもりが大きな出費につながってしまいます。

駐車場に残った小さなシミは、車が出している「異常のサイン」かもしれません。量が少ないうちこそ、早めに原因を確認することが大切なのです。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ