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「止まってくれるだろう」はNG!秋の夕方、“早く帰りたい”車が招く光景に、運転のプロが警鐘

  • 2026.9.24
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

秋が深まり日没が早まる季節、夕方の通勤時間帯は1日の中でも特に注意が必要な時間へと変わります。1日の疲労と「早く帰りたい」という焦りから、道路全体がどこか荒っぽい空気に包まれがちです。

「信号のない横断歩道で渡ろうとしている歩行者がいれば、車は止まらなければならない」

このルールはSNSでもたびたび話題になりますが、基本的なルール自体を知らない人がまだ一定数いるようです。

これは道路交通法第38条による、昭和35年から続く決まりです。近年は取り締まり強化で注目度が高まっただけで、内容自体は変わっていません。まずはこの前提を押さえたうえで、夕方特有の危険性を見ていきましょう。

焦りが生む「強引な運転」

長距離通勤の車が集まる幹線道路や抜け道では、車間距離を極端に詰めたり、無理な割り込みをする車が増えてきます。早く帰りたいという思いや焦りから、普段よりも強引な行動に出がちなもの。

仕事や勉強を終えた脳と体は、疲労で判断力や注意力が落ちやすくなっています。ちょっとした気の緩みが、危険な運転操作につながりやすい時間帯です。

「止まってくれるだろう」という過信

横断歩道での歩行者優先ルールの認知度が広まった結果、「車は止まって当然」と考える歩行者や自転車も増えています。

しかし、薄暮時は周囲が短時間で暗くなる時間帯。ドライバーから自分の姿が見えにくくなっていることに、歩行者や自転車側が気づいていないケースも少なくありません。車が止まってくれると思い込んで進入した結果、歩行者や自転車の存在を見落とした車と接触する事例も発生しています。

すり抜けバイクの盲点

渋滞で動かない車列の脇や路肩を、すり抜けるように進むバイクや自転車も要注意です。

薄暮の暗がりと車の死角が重なることで、ドライバーからその存在がほとんど見えなくなってしまいます。車線変更や左折のタイミングに加え、意外な盲点となる右折車と直進バイクが交差する場面など、思わぬ接触につながりやすいポイントが潜んでいます。

リスクが重なったときに起きる事故

これらの要素が複合的に結びつくと、重大な事故につながりかねません。

例えば、渋滞にしびれを切らした車が死角を確認せずに車線変更をした瞬間、すり抜けてきたバイクと接触するケース。前の車が横断者に気づいて急停車し、後続車が、一時停止の義務があるにもかかわらず焦って追い越そうとするケースもあります。渡り始めていた歩行者との接触につながりかねません。

ドライバー側の焦りと見落とし、歩行者やバイク側の「行けるだろう」という思い込み。この両方が重なった瞬間に、事故は起きやすくなります。

対策1.横断歩道手前での「ブレーキの構え」

歩行者がいたら止まるという対応だけでなく、「物陰から急に出てくるかもしれない」という危険予測が大切です。

横断歩道に近づく際は、アクセルから足を離しましょう。いつも以上に左右を確認しつつ、いつでもブレーキを踏める位置に構えておくことが大切です。この一手間が、空走時間の短縮につながります。

対策2.早めのウインカーと目視で確認

車線変更をする際は、約3秒前、右左折の場合は交差点の約30m手前でウインカーを出すことが法律で定められています。

ミラーだけに頼らず、目視での確認も行ってください。死角にすり抜けバイクや歩行者が潜んでいないか、最後は自分の目で確かめる習慣をつけましょう。

無理に対抗しないで譲る

背後から煽ってくる車や、強引に割り込んでくるバイクに対して感情的になる必要はありません。危険な相手には道を譲り、距離を取って近づかないことが安全で確実な防衛策です。

早めのライト点灯も、自分の存在を周囲に知らせる有効な手段。歩行者やバイクからの視認性を高めることで、こちらの存在をしっかり発見してもらいましょう。

「早く家に帰りたい」という気持ちは、道路上の誰もが抱いているもの。焦りとイライラが、思わぬ事故につながることもあります。ゆとりを持った運転を心がけ、無事に帰宅しましょう。

参考:薄暮時間帯における交通事故防止|警察庁Webサイト


ライター:ちだてつし
自動車教習所の指導員・技能検定員として、23年間にわたり現場で安全運転の指導・検定を担当。現在はその専門知識と現場での実務経験を活かし、安全運転やドライブテクニックに関するWebライターとして活動中。また、ペーパードライバーや外免切り替えの事業を展開し、運転に自信のないライダーを対象に、実践的なツーリングを通して運転技術を身につける「日本ツーリングサポート協会」を設立・運営。「安全で楽しいカー&バイクライフ」を伝える発信を行っている。日本二輪車普及安全協会の二輪安全運転指導員として活躍中。


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