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「757万円の新車より安い…?」オプション付きの新型エルグランド“ほぼ新車”が749万円台で買える…価格逆転のワケ

  • 2026.9.25
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

発売されたばかりの日産・新型エルグランドが、早くも中古車市場に流通し始めています。

2026年9月中旬、全国で36台の掲載が確認でき、その多くが走行数十キロの登録済未使用車です。新車は納車まで数か月待つ状況ですが、人気車の発売直後だからプレミア価格なのではという予想に反し、実態を調べると意外な事実が見えてきました。今すぐ欲しい方にとって、中古車という選択肢が現実的な理由を紐解きます。

早くも全国36台。ほとんどがほぼ新車だった

待望のフルモデルチェンジを果たし、その流麗なフォルムと進化した走行性能で話題を集めている新型エルグランド。

街中で見かける機会はまだ少なく、新車の納車を心待ちにしている方も多いことでしょう。しかし、目を中古車市場に向けてみると、少し驚くような光景が広がっています。

2026年9月中旬時点で、大手中古車サイトのカーセンサーを確認したところ、早くも全国で36台の新型エルグランドが掲載されていました。発売されて間もないこの時期に、すでにこれだけの台数が流通していること自体が、なかなか興味深い現象といえます。

そして、掲載されている車両の詳細を見ると、さらに目を引く事実があります。それは、一般的な中古車というよりも、すでに登録されただけの新車に近いクルマ、いわゆる登録済未使用車がほとんどを占めているということです。具体的には、走行距離が10km、20km、あるいは40kmといった、極端に少ない個体がずらりと並んでいます。誰かが数年間乗って手放した中古車ではなく、工場から出荷されて間もない、まっさらな状態に近いエルグランドが、すでに市場に存在しているということになります。新車特有の真新しい香りが残るような車両が、もう中古車として選べる状態にあるのは、これから購入を考える方にとって嬉しい驚きといえるかもしれません。

新車より高い?価格を見ると少し不思議

では、それらのほぼ新車とも言える中古車は、いったいいくらで販売されているのでしょうか。

まずは、日産公式の新型エルグランドの車両本体価格を確認してみましょう。ラインアップの中で主力となるグレードを見ると、X e-4ORCEは6,897,000円、上級のG e-4ORCEは7,579,000円からという設定になっています。

これに対して、中古車市場に掲載されている車両の支払総額を見てみます。ある販売店では、走行距離10kmのX e-4ORCEが約7,438,000円で販売されていました。また、別の店舗では走行距離46kmのG e-4ORCEが約7,494,000円で掲載されています。一方で、同じG e-4ORCEであっても、9,000,000円から9,500,000円前後といった強気な価格がつけられている車両も見受けられます。

これらの数字を横並びにして見比べると、少し不思議なことに気がつきます。6,897,000円のXが中古市場では約7,438,000円と新車より高く見える一方で、7,579,000円のGが約7,494,000円と定価を下回っている個体があるかと思えば、9,000,000円を超えるような個体も混在しているのです。

近年、供給が追いつかない一部の人気車種では、新車発売直後の中古価格が新車価格を大きく超えるケースが見られましたが、どうしてこのような逆転現象や大きな価格差が生まれているのか、疑問に感じてしまいます。まるで中古車市場の価格設定がバラバラになっているような錯覚に陥りそうですが、この数字の背景には、現在のタイミングならではのきちんとした理由が存在しています。

実は単純比較できない。中古車が高く見える理由

一見すると不規則に見える中古車の価格ですが、実は新車の車両本体価格と中古車の支払総額を単純に比較することはできません。ここが、今回の価格差を読み解く上で最大のポイントになります。

新車のカタログに記載されている車両本体価格は、あくまでクルマそのもののベース価格です。実際に購入する際には、運転支援システムなどのメーカーオプションやフロアマットなどのディーラーオプション、登録時の税金、諸費用などが追加でかかります。

さらに見逃せないのが、市場に出回っている登録済未使用車の多くに、高額なメーカーオプションがあらかじめ装着されているという点です。たとえば、運転支援システムのプロパイロット2.0や、高品質な音響を楽しめるBOSEサウンドシステム(いずれもG e-4ORCE限定オプション)、ツインガラスルーフといった人気の装備が搭載されている個体が少なくありません。

これらを新車購入時に追加し諸費用を含めると、総額は跳ね上がります。つまり、それぞれの充実した装備が含まれた上で、約7,438,000円となっているXや、9,000,000円を超えているGは、不当な上乗せがされているわけではなく、現実的な価格で流通していると言えそうです。

ではなぜ、同じGグレードで新車価格を下回る個体が存在するのでしょうか。その理由は、まだ新型エルグランドの「中古車相場(残価)」が市場で明確に定まっていないことにあると推測しています。

発売直後で取引データが不足しているため、数年後の価値が読みにくく、各販売店がそれぞれ独自に手探りで値付けを行っている状況なのです。早期販売を目指して適正で現実的な価格をつける店舗がある一方で、「今すぐ乗れる」という付加価値を最大限に見積もり、強気な価格設定をする店舗も存在します。その結果として、同じグレードでも価格に大きなバラつきが生じていると考えられます。

1000万円超もあったアルファードとは違う?

こうした発売直後の市場の動きと聞いて、2023年に発売された40系トヨタ・アルファードの状況を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。

アルファードの発売当時は、深刻な半導体不足や生産遅れによる新車の供給不足が背景にあり、数年という長期間の納車待ちが発生していました。その結果、少しでも早く手に入れたいという需要が中古車市場に集中し、新車価格を大幅に超えるプレミア相場が形成されました。条件の良い個体では、1000万円を超える価格で取引されるケースもあったほどです。

しかし、今回の新型エルグランドについては、同じ大型高級ミニバンでありながら、現状そこまでの異常な事態にはなっていません。もちろん、市場環境や生産体制が当時とは異なるため、単純な比較はできません。とはいえ、新型エルグランドの中古車市場は、法外なプレミアム価格だけが横行しているわけではなく、比較的冷静に検討できる状態にあると言えるのです。これは購入検討者にとって、焦らずにじっくりとクルマ選びができるという点で、非常にポジティブな状況とも捉えられます。

数か月待つか今すぐ乗るか

新車の新型エルグランドを今から注文した場合、販売店への確認では、早くても年明け以降の納車になる可能性があるようです。店舗や仕様によって状況は変わるものの、数か月の待ち時間は覚悟する必要があるでしょう。

この状況を踏まえると、目の前にある中古車という選択肢が、現実味を帯びてきます。中古車を選ぶことには、ボディカラーやメーカーオプションを自分好みに細かく指定できないことや、初度登録から時間が経過しているため、新車と比べて初回の車検までの期間が短くなるなどのデメリットがあります。

しかし、もし自分が希望する仕様に限りなく近い個体が偶然にも中古車市場に存在し、新車を購入する場合との価格差も納得できる範囲であればどうでしょうか。数か月待って自分だけの一台を新車で手に入れるか、それとも条件の合う登録済未使用車を選び、今すぐ新型エルグランドのある生活を始めるか。

発売直後の今だからこそ、少し視点を変えた賢い選択肢が生まれているのかもしれません。ご自身のライフスタイルや譲れない条件を整理し、ぜひ後悔のないクルマ選びを楽しんでみてください。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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