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35歳で一度は結婚を諦めた“元アイドル”。42歳で大物ミュージシャンと結婚し、仕事を休んで夫を支えた現在

  • 2026.10.6
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2006年9月、映画「地獄の変異」特別試写会に登場した青田典子(C)SANKEI

20年前の2006年9月、東京・九段会館のステージに、タンクトップとショートパンツで黒ずくめの女性が現れると、約1000人の観客から男性を中心に大きな歓声が沸き起こった。

サプライズゲストとして登場したのは、青田典子。当時、バラエティ番組『ロンドンハーツ』から誕生したキャラクター「バブル青田」として、まさに再度の大ブレイク中にあった。

この日行われたのは、地底の怪物を描いたホラー映画『地獄の変異』の特別試写会。だが、壇上の彼女が繰り出したトークは、映画の恐ろしさを語るにとどまらない。話題は地底の怪物から、かつてアイドルとしてまとっていた「鎧」や、自らの年齢の話へと広がっていった。

マンホールまで気になった正直すぎる映画評

『地獄の変異』は、地下深くの巨大洞窟に潜む未知の生物に探検隊が襲われる映画だ。刺激を求めて時折ホラー映画を観るという青田だが、今回は「さすがに怖かったですね」と振り返る。

青田が語ったのは、スクリーンの恐怖がそのまま日常の足元に侵食してくる感覚だ。見ている途中から地底人が本当にいる気がしてきて、この日も会場へ来る途中、道路のマンホールから何か出てくるのではと思わず見てしまったという。

さらに彼女の妄想は止まらない。地震やテロが起きても、地底のそいつらは生き残ってしまう……そんな別の恐怖まで感じていた。

映画の中の怪物を、自分が歩く現実の街の地下に引きずり下ろして怯える。ホラー映画のPRイベントでありながら、予定調和のお世辞ではない、素直で愛嬌たっぷりの感想だ。

アイドル時代こそが鎧を着た変異だった

圧巻だったのは、ここからだ。青田は映画のタイトルにある「変異」というおどろおどろしいキーワードを、鮮やかに自分の人生へと引き寄せてみせた。

1990年代、C.C.ガールズのメンバーとして歌っていた彼女。決まり事の多かったアイドル時代の方が、「まるで鎧を着たように“変異”していましたね」と笑顔で語り、35歳を過ぎて人に頼って生きるのをやめてから、ようやく「素の自分」を出せるようになったと続けた。映画では怪物の変異が恐怖を生む。青田はその言葉を、決まり事に縛られたアイドル時代の自分に重ねた。

女性にとっていちばんの変異は、35歳から36歳の厄年を過ぎた頃に訪れる。それが青田の実感だった。自身にも、体形から化粧のノリ、無関心になっていく男性の視線まで、変異に次ぐ変異が訪れた1年があった。

約1000人の観客を前に、ホラー映画のPRの場で赤裸々に化粧のノリや男性の視線を語るあけすけさ。さらに、35歳のときに一度は結婚を諦めたことにも触れ、そろそろ変異してみようかな、と笑顔を見せた。「人生一度きり」とモンスター級の恋愛をぶち上げ、ジャズダンスで鍛えたボディで、客席に向けて次々とセクシーポーズを連発した。

小室哲哉への直談判から大人の女性のその先へ

この当時の青田を語るうえで、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)での活躍は外せない。「バブルの生き残り」としてイジられつつも、カラッとした明るさで、杉田かおるや飯島愛らとともに「負け犬キャラ」として大ブレイクを果たしていた。

その勢いを象徴するのが、2006年4月に「バブル青田」名義でリリースした楽曲『ジーザス』だ。番組の企画で田村淳に連れられて小室哲哉のスタジオへ乗り込み、私にも曲を作ってと直談判。小室が、書き下ろしではなくお蔵入りした曲なら提供してもいいと応じ、1996年に制作されたまま眠っていた楽曲が10年越しで日の目を見た。

CDはランキングで初登場12位を記録。同日デビューとなった熊田曜子との番組対決に勝利したばかりか、かつてのC.C.ガールズ時代すら超える自己最高位を叩き出したのだ。

40歳までには結婚したいと公言し、底抜けの明るさで駆け抜けた日々。試写会で見せた笑顔は、バラエティ番組で見せるあのバイタリティと、たしかに地続きのものだった。

2010年7月、42歳の青田は玉置浩二と結婚。その後は自分の仕事を休み、安全地帯の復活やレコーディングを支え、夫の体を気遣って食事も作った。2026年3月に放送されたNHK BS『玉置浩二ショー』には、佐藤浩市とともにトークゲストとして出演している。

初エッセー集の副題は「おんなの賞味期限」

九段会館のイベントでは、青田の初エッセー集が翌月に刊行されることも明かされた。のちに日本文芸社から出版されたその本のタイトルは『ギリギリ。』。そして副題には、刺激的な「おんなの賞味期限」というフレーズが躍っていた。

試写会の壇上、青田は変異を良い方向へ持っていくコツとして、体形を保つ努力に加え、自分に正直でいること、そして一日一日を楽しんでその一瞬を精一杯生きることを挙げていた。

ホラー映画のPRとしては、いささか脱線した人生訓だったかもしれない。だが、足元のマンホールを怖がり、自らの加齢や化粧のノリまで口にし、モンスター級の恋愛に胸を躍らせた彼女の姿そのものが、自ら挙げたコツを体現していた。


※記事は執筆時点の情報です

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