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30年前、大人気アーティストが『月9』主演の【国民的女優】と生んだ『色褪せない名曲』

  • 2026.11.9
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1996年2月、ブルーリボン賞で主演女優賞を受賞した中山美穂(C)SANKEI

月曜の夜9時、テレビ画面の中央に主演の中山美穂が立っている。物語を牽引する主人公の表情と、その本人の声で流れる主題歌。演じる者と歌う者というふたつの姿が、ひとつの番組のなかでぴたりと重なり合っていた。

中山美穂 with MAYO『未来へのプレゼント』(作詞:岡本真夜・中山美穂/作曲:岡本真夜)ーー1996年11月1日発売

ドラマの主演と主題歌を一人で兼ねた中山美穂が、シンガーソングライターの岡本真夜と名前を並べてリリースした連名シングル。主演女優の楽曲であると同時に、二人が言葉と旋律を持ち寄り、息を合わせて仕上げた歌でもある。

物語の主役が歌番組にも帰ってきた秋

フジテレビ系の月9ドラマ『おいしい関係』。中山にとっては約1年半ぶりの連続ドラマで、主演を務めながら主題歌も自ら歌った。この曲を機に、中山は久しぶりに歌番組への出演も果たした。ドラマの主役を務める本人が、同じクールに歌い手としても画面に立つ。演じることと歌うことの間を一人で行き来する姿に、この時期の中山の立ち位置がよく表れていた。

他アーティストと名前を並べたシングルは、1992年の『世界中の誰よりきっと』(中山美穂&WANDS)以来、4年ぶりだった。このときも中山は作詞に加わっている。外部の相手を迎え、自らも言葉を紡ぐコラボレーションの形が、4年の時を経て再び巡ってきた。そして今度の相手は、前年にデビューしたばかりの若い書き手だった。

用意した詞を携えて初めて顔を合わせる

相手の岡本真夜は、1995年の『TOMORROW』で一気に名を知られた、デビュー2年目・22歳のシンガーソングライターだ。応援歌の書き手として広く親しまれていた岡本が、主演女優のために、再び背中を押す歌を書くことになった。

ドラマ主題歌の依頼を受けた岡本だが、締め切りの前日までメロディーがどうしても浮かばなかった。曲がほぼ形になったところで、二人は初めて顔を合わせる。その場に中山が携えてきたのは、自分で書いておいた歌詞だった。受け取った言葉をメロディーと照らし合わせ、曲は仕上がっていく。

締め切りぎりぎりまで旋律を探していた岡本と、言葉をあらかじめ書き上げていた中山。準備の進め方が対照的な二人が、初めて会った席でひとつの曲へと合流した。中山が先に言葉を用意して臨んだことで、この歌は、渡された曲を歌うのではなく、歌い手と書き手が持ち寄ったものを重ね合わせる形で生まれている。

中山はのちの2019年、自身の作詞について、意味を込めすぎず、音として気楽に楽しめる言葉がいいという考えを明かしている。自ら詞を書き続けてきた表現者の、言葉への構えがそこにうかがえる。

もう一つの名で作者の声に渡った歌

2026年5月10日、岡本はデビュー30周年ツアーの最終公演を迎えた。アンコールの1曲目に置かれたのが、岡本が自分の歌として歌うこの曲、『Will...』だった。1996年のリリース時には「with MAYO」として中山の隣に添えられていた岡本が、30年を経たこの夜は自身の名前でこの曲を歌っている。続けて岡本は、客席にいた中山忍に向けて、中山美穂の『ただ泣きたくなるの』を歌った。

初対面の日に、中山の詞と岡本の旋律を突き合わせて生まれた歌は、30年後のステージでも、書いた本人の手もとで鳴り続けている。節目のツアーを締めくくる夜、岡本がアンコールでまずこの曲を選んだことに、二人の出会いから続いてきた歌の息の長さが映し出されている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。

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