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実はスタートは歌手だった美人女優。1984年の一枚が39年後にシティポップ「名作選」へ

  • 2026.9.12
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秋本奈緒美-1997年11月撮影(C)SANKEI

テレビドラマや映画、舞台で活躍する秋本奈緒美だが、元々は歌手としてスタートした。数々の名盤があるが、1984年の『POISON 21』もその一枚だ。この作品は2023年8月、「フィーメル・シティポップ名作選」の一枚として復刻された。発売から39年後のことだった。

俳優として顔を知っている人が、音楽を入り口にこの人と出会い直せる。そんな楽しみが、古いレコードの向こうにある。秋本の歩みをたどると、歌手という肩書きは、思いのほか近くに見えてくる。

最初のあいさつはアルバムで

秋本のデビューは1982年1月。最初に世に出たのは、『Rolling 80's』。このアルバムで歌ったのは、長く親しまれてきたジャズのスタンダード曲。『雨に唄えば』も収められている。音楽家の清水靖晃が全体のプロデュースを手がけ、ジャズの名曲にニューウェイヴのアレンジを加えた作品だ。

昔からある曲を、当時の音で歌う。いまの俳優としての姿からさかのぼると、この出発点はおもしろい。演じる秋本を知った後に聴けば、同じ名前の持ち主が、まず音楽の世界で一枚の作品をつくっていたことに気づく。

しかも『Rolling 80's』は、2016年に初めてCD化された。デビューから長い時間が過ぎてからも、最初のアルバムに新たに触れる機会が生まれている。歌手時代の作品は、発売当時だけで閉じてはいなかった。

「名作選」で出会い直す

その後、2023年に復刻されたのが『POISON 21』だ。こちらは1984年に発表されたシティポップ作品。ジャズの名曲を歌ったデビュー作から、秋本の音楽はまた違う広がりを見せていた。

参加した音楽家には佐藤博らが名を連ねる。収録曲の『TELEPATHY』では、電子音を用いたディスコの音楽が取り入れられている。2023年の復刻盤には、『ジェントルじゃいられない』を追加収録。『POISON 21+1』という形で発売された。元のアルバムに別の一曲を添えて聴けるのも、再発盤ならではの楽しみだ。

歌と芝居が並ぶ場所

秋本はデビュー後、テレビドラマや映画、舞台へと活動を広げた。そうして俳優の仕事を重ねる一方で、ソロライブも行ってきた。歌と芝居の両方に、この人の歩みが残っている。

2023年には音楽朗読劇『オン・ザ・ザッテレ』に出演。翌2024年6月には、ミュージカル『モンパルナスの奇跡』の舞台に立った。音楽と言葉を組み合わせた作品も、その活動の一部になっている。

レコードに残された若いころの歌声と、年月を重ねて立つ舞台。同じ人の表現を、違う時期、違う形で受け取れるのはうれしい。アルバムの復刻に目を向けると、俳優としての仕事と並んで、歌い手としての歩みも追いたくなる。

歌手から俳優へ、という順番だけで経歴を眺めると、その後も続いた音楽との接点は見えにくい。ライブや音楽朗読劇、ミュージカルまで視野を広げれば、歌と芝居が並ぶ秋本の姿が、もっと身近になる。

もう一度この人を知る

『POISON 21』が39年後に「名作選」の一枚になったことは、秋本奈緒美を知るもう一つのきっかけになる。画面で見覚えのある俳優の名前を、今度はアルバムの表紙に見つける。その小さな驚きから、1982年の出発点にも手が届く。

歌を残し、舞台に立ち、また昔の歌が聴かれる。作品ごとの時間を行き来しながら、この人の表現に触れられる。秋本のアルバムには、懐かしさと一緒に、初めて出会う楽しみもある。


※記事は執筆時点の情報です

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