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35年前、アサヒビールの看板を背負った【美女】バラエティから歌手、グラビアまで多様な顔を魅せたマルチタレント

  • 2026.9.11
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かとうれいこ-1994年10月撮影(C)SANKEI

2025年10月、かとうれいこが27年ぶりの新作写真集『AROUND』を刊行した。撮影の舞台はオーストラリア。海や街並み、ワイナリーをめぐる一冊には、旅先でのさまざまな姿が収められている。

その歩みを90年代までさかのぼると、写真の外にもずいぶんにぎやかな景色が広がっている。広告の顔を務め、ドラマに出演し、歌も届ける。写真集を入口にして、当時のかとうが行き来していた場所をたどってみたい。

写真集の隣にはドラマも

かとうは第16代クラリオンガールを務め、1991年にはアサヒビールのイメージガールに起用された。同じ年には、山岸伸が撮影した写真集『私生活』もワニブックスから刊行されている。企業の広告にも、一冊の写真集にも、その姿があった。

ここで一緒に思い出したいのが、1991年春に放送された『もう誰も愛さない』(フジテレビ系)だ。吉田栄作、田中美奈子、山口智子らが出演した、愛や金をめぐって犯罪が重なっていくサスペンス。かとうも、そのキャストに名を連ねていた。

写真集を出した年に、連続ドラマにも出演している。この重なりを見ると、グラビアから俳優へと順番に看板を掛け替えた、という説明では収まりきらない。撮られる仕事と、役を演じる仕事を同じ時期に担っていたのだ。水着姿が印象に残る人にも、テレビの物語の中にいた彼女を思い出す余地がある。

さらに『あなただけ見えない』(フジテレビ系)にも出演。写真の中でこちらを見つめる姿と、物語の登場人物として誰かに向き合う姿。かとうを知る入口は、早くからいくつも開いていた。

笑いの輪に入れば

テレビでは『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)にも登場した。番組のゲストには、渡辺美奈代や本田理沙らと並んでかとうの名前がある。愛と金が絡み合うドラマにも、日常のあれこれを笑いにする番組にも出演する。その振れ幅だけでも、当時の仕事ぶりが少し身近になる。

マルチタレントという言葉を、単に仕事の種類が多い人と受け取るのは、少しもったいない。写真には一瞬の表情が残り、ドラマでは役のやりとりが続き、バラエティでは共演者と同じ場をつくる。見せ方の違う仕事を、ひとりで引き受けることでもある。

そして、声で会うかとうもいた。1993年にはシングル『この愛のすべて』を発売している。ジャケットに名前があるだけでなく、歌い手として曲を届けてきた。写真集とCDを並べると、同じ人の仕事なのに、こちらが楽しむために使うのは目と耳で違う。その小さな違いが、彼女の90年代をぐっと広く見せる。

どれか一つの活動を代表に決めるより、並べたときの表情の多さを楽しみたい。かとうのキャリアには、ひとりのタレントがいくつもの場所で観客と出会っていた、あの時代の芸能の形が残っている。

次の一冊は旅先で

2024年12月には、雑誌『FRIDAY』に26年ぶりの撮り下ろしグラビアが掲載された。その撮影チームと再び組んだのが、翌年の『AROUND』だ。雑誌での撮影から、海外で一冊をつくる仕事へ。久しぶりの写真集にも、新しいつながりがある。

舞台となったオーストラリアでは、毎朝5時に起きて準備や撮影を進めた。街の中にも海辺にも出かけ、ワイナリーも訪れる。旅先のさまざまな場所でカメラに向き合う姿を思い浮かべると、華やかな一枚の印象も変わる。写真として残る一瞬の周りには、こうした仕事の時間が流れている。

かつての活動を知ってから見ると、27年ぶりという数字の向こうに、撮影現場に立つひとりの表現者が見えてくる。華やかな写真に目を留めたあと、その一枚をつくる人にも関心が向く。そんな読み方のできる写真集でもある。

写真の外にも続きがある

かとうれいこの90年代には、写真集とともに芝居があり、笑いがあり、歌があった。それぞれの仕事を知るほど、よく覚えている一枚の写真にも、違った奥行きが生まれる。

『AROUND』の刊行は、新たな姿を楽しむ機会であり、懐かしい彼女をもう一度知る機会でもある。ポスターで出会った人も、ドラマで覚えた人も、たどる道の先には同じかとうがいる。記憶の中の笑顔に、もう一つの顔を足してみたくなる。


※記事は執筆時点の情報です

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