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21年放送された人気刑事ドラマ。『はぐれ刑事純情派』美人娘2人のその後とは?

  • 2026.9.11
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2005年2月、テレビ朝日系ドラマ「はぐれ刑事 純情派」最終シリーズ制作発表より。左から松岡由美、藤田まこと、小川範子(C)SANKEI

安浦刑事には、帰る家があった。

『はぐれ刑事純情派』(テレビ朝日系)で藤田まことが演じた安浦吉之助と、2人の娘。長女・エリ役の松岡由美、次女・ユカ役の小川範子がいる食卓は、事件を追うドラマに暮らしの手触りを添えていた。あの家族を少し振り返りたい。

家族らしさを育てた食卓

1988年に始まり、2009年まで続いた『はぐれ刑事純情派』。安浦が育てていたのは、義理の娘であるエリとユカだった。朝夕の食事をともにする場面には、捜査中の表情だけではわからない、父親としての安浦がいた。

たとえば第10シリーズでは、安浦が娘たちにケーキを買って帰る。ところがユカらはダイエット中で、結局は自分で食べる羽目になる。相手を喜ばせようとした気持ちが、きれいに届くとは限らない。その小さな行き違いがおかしく、家族らしい。事件に向き合うときの人情味と、家庭でちょっと機嫌を損ねる姿が、同じ人物の中に収まっているのだ。

そんな親子の会話は、撮影現場でも手をかけて作られた。藤田は松岡と小川に若者の言い回しを確かめ、監督と相談して台本が変わることもあった。父親役の俳優が、娘役の2人から言葉を受け取る。そのやり取りには、世代の違う3人で家族の会話を作る面白さがある。娘たちは父の言葉にうなずくだけの存在ではなく、それぞれの世代の感覚を持った相手だったのだ。

あの歌をもう一度

小川は、ユカ役で知られる一方、歌手としても活動を重ねてきた。歌手デビューは、ドラマが始まる前年の1987年。『涙をたばねて』を皮切りに、シングルやアルバムを発表している。

2017年12月には、デビュー30周年を記念したベスト盤『30th Anniversary Best』をリリースした。過去の音源を収めるだけでなく、セカンドシングル「永遠のうたたね」の新録版と、朗読「涙」も収録。デビュー当時の作品に、30年を経た声であらためて向き合った。

アルバムは、新録の朗読「涙」で幕を開ける。6曲目には当時の「永遠のうたたね」が収められ、最後の17曲目には新録版が置かれた。同じ歌が一枚の中で再び現れ、かつての歌声と現在の歌声を結ぶ構成になっている。

小川が『はぐれ刑事純情派』でユカを演じ始めたころは、歌手として歩み始めた時期でもあった。画面の中に残る娘役の姿と、音源に刻まれた歌声。2017年の新録は、その二つの出発点から流れた長い時間を、あらためて伝えるものになった。

銀座にも「さくら」があった

一方、長女・エリを演じた松岡の現在は、東京・銀座にある。2022年4月に開いたのが「BAR さくら」。安浦が通い、眞野あずさ演じる片桐由美が迎えていた、劇中のバーから取った名前だ。

家では2人の娘に囲まれ、外にはなじみの店がある。安浦の暮らしを描くうえで、「さくら」もまた欠かせない場所だった。その名前を、娘役だった松岡が自分の店に掲げた。作品を知る人にとっては、店名を見ただけで安浦の顔や、グラスを前にした場面が浮かぶ結びつきだ。

開店から1年半を迎えたころには、松岡の店に『はぐれ刑事純情派』の写真集が置かれていた。店名だけでなく、実際にページを開いて作品に触れられるものがあったこともいい。画面の中で親子を演じた時間が、店を訪れた人と共有できる形になっていた。

ドラマの店と銀座の店は、それぞれ別の場所である。それでも、「さくら」という短い名前が両方を結んでいる。出演作の記憶を日々の仕事の中に置く、松岡ならではの具体的な形なのだ。

ふたたび安浦家を訪ねたくなる

安浦の食卓にいた2人を、その後の仕事までたどると、役の向こうに俳優自身の時間が見える。小川には、自分の歌を再び録音した歩みがある。松岡には、劇中の店名を自分の店に選んだ歩みがある。どちらも、娘役を演じた日々の先に生まれた仕事の形だ。

娘役の2人を知ったうえで、もう一度安浦家の場面を見る。すると、父と娘の会話を交わしていたあの頃に、その後の長い時間まで重なる。家族が食卓を囲む何気ない場面も、長く続いたドラマが残してくれた大切な一場面なのだ。


※記事は執筆時点の情報です

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