1. トップ
  2. エピソード
  3. 「もっと熱くしろって言っただろ」弁当の温めに不満をぶつける客。だが、店長が落ち着いて対応した結果

「もっと熱くしろって言っただろ」弁当の温めに不満をぶつける客。だが、店長が落ち着いて対応した結果

  • 2026.8.24
「もっと熱くしろって言っただろ」弁当の温めに不満をぶつける客。だが、店長が落ち着いて対応した結果

レジ前で突然、大きな声がした

散歩の帰りに、近所のコンビニへ立ち寄ったときのことです。

夕飯のおかずを買おうとレジに並ぶと、私の前では四十代くらいの男性が、温めてもらった弁当を受け取っているところでした。

ところが袋越しに弁当へ触れた男性が、急に眉をひそめました。

「え、これだけ?もっと熱くしてって言ったよね」

レジにいた若い店員は、一瞬戸惑った表情を浮かべます。

「申し訳ありません。もう一度、温め直しますね」

「最初からそうしてくれればいいんだよ。ぬるいの嫌なんだって」

男性は不満そうでしたが、店員は言い返さず、弁当を受け取って再び電子レンジへ入れました。

しばらくして温め直した弁当を差し出すと、男性はもう一度袋の上から触ります。

「……まだ足りない気がするな」

「かなり熱くなっていますので、お気をつけください」

店員がそう伝えると、男性は納得できない様子で顔をしかめました。

「いや、だからもっと熱くしろって言っただろ。さっきから話、聞いてる?」

声が少しずつ大きくなり、後ろに並んでいた私たちも思わず顔を上げました。

店員は困ったように「申し訳ありません」と繰り返していましたが、男性はさらに「こういうの、ちゃんとしてくれないと困るんだよ」と続けます。

奥から出てきた店長

その声が奥まで聞こえたのでしょう。しばらくすると、年配の男性スタッフがバックヤードから出てきました。

若い店員が小さな声で「店長」と呼んだため、責任者なのだと分かりました。

店長はまず店員から短く事情を聞くと、男性へ向き直りました。

「お待たせして申し訳ありません。こちら、一度温め直しているんですね」

「そうだけど、まだぬるいんだよ。もっとやってくれればいいだろ」

男性がそう言うと、店長は弁当を確認してから、落ち着いた声で答えました。

「お気持ちは分かります。ただ、かなり熱くなっていますので、これ以上の加熱はおすすめできません」

「でも俺は熱いほうがいいって言ってるんだけど」

「はい。ただ、こちらとして安全にお渡しできる範囲で対応させてください」

男性はすぐには納得しない様子でした。

「なんだよ、それ……」

店長は声を強めることなく、「ご希望どおりにできず申し訳ありません」ともう一度頭を下げました。

少しの沈黙のあと、男性は弁当の袋を持ち直しました。

「……もういいよ」

まだ不満そうではありましたが、それ以上は何も言わず、そのまま店を出ていきました。

怒鳴り返さず、必要なことだけを伝えていた

男性がいなくなると、張りつめていたレジ前の空気が少しやわらぎました。

店長は若い店員に向かって、小さな声で言いました。

「大丈夫? びっくりしたよね。ここは私がやるから、ちょっと水でも飲んできて」

店員はほっとしたように、「すみません、ありがとうございます」と頭を下げました。

私はそのやり取りを見ながら、店長が男性を言い負かそうとしなかったことが印象に残りました。

相手の希望を聞きつつ、できないことはできないと伝える。それだけでも、荒れていた場の空気は少しずつ落ち着いていくものなのだと感じた出来事です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ