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「その化粧、濃くない?」彼からの一言を、私は2度読み返した

  • 2026.8.23
ハウコレ

カフェで彼が口にしたのは、「前に、洗面所で頬を気にしてたでしょ」という一言でした。隠していたつもりのものに、彼は気づいていました。

デート前に送った自撮りへの返信は、日付でも場所でもなく、化粧についての一言でした。

返ってきた一言

彼とは付き合って1年になります。アパレルの販売員をしている私は、その日、店の研修で習ったフルメイクのまま、待ち合わせの確認と一緒に自撮りを送りました。新作のリップも、先輩に勧められたハイライトも、その日のメイクのために選んだものでした。

すぐに既読がつき、届いたのは「その化粧、濃くない?」という短いメッセージでした。似合っているかどうかではなく、濃いかどうか。画面の文字を2度読み返してから、私は「似合ってないってこと?」とだけ返しました。

それきり、私のメッセージには既読だけがついて、彼からの返信は止まりました。

隠していた理由

化粧を濃くしたのには理由がありました。頬に出た肌荒れを隠すため、先輩に教わったカバーの手順を増やしていたのです。売り場に立つ以上、肌のことをお客様に見せたくありませんでした。

鏡の前で手順を増やすたび、荒れた頬が目立たなくなるのが、あの頃の私の安心でした。彼に相談しなかったのは、心配をかけたくなかったからです。それなのに、返ってきたのが化粧への指摘だったことが、何より応えました。

返信のない画面を閉じて、私はポーチの中身を1つずつ並べ直しました。増えたコスメの数だけ、隠してきたものがあるのだと思いました。

カフェでの本音

数日後、約束していたカフェで彼と会いました。先に口を開いたのは彼でした。

「そうじゃなくて。最近、肌荒れてたから」

カップに手をつけないまま、彼は続けました。

「前に、洗面所で頬を気にしてたでしょ」

「気づいてたんだ」と返すのがやっとでした。隠しているつもりで、いちばん近くの人には見えていたのです。私は、肌荒れを隠すために化粧を増やしていたこと、売り場に立つ手前やめられなかったことを、順番に話しました。

彼は口を挟まずに、最後まで聞いてくれました。話し終える頃には、カップのコーヒーはすっかりぬるくなっていました。

そして...

「言い方、悪かった。ごめん」と彼は言いました。責められたと思っていた一言は、遠回りな心配だったのだとわかりました。今、私のポーチはひと回り軽くなり、代わりに彼と選んだスキンケアが洗面台に並んでいます。

(20代女性・アパレル販売員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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