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親友の結婚を喜べなかった私が、「おめでとう」より先に送った本音

  • 2026.8.23
ハウコレ

「そっか。よかったね」。あの日の私が言えたのは、それだけでした。祝えない理由を、私はまだ誰にも話せていませんでした。

親友の左手が視界に入った瞬間、私はカップを持ち上げて口元を隠しました。

祝えなかった報告

「プロポーズされたんだ」親友の声は弾んでいて、指輪を見せる手つきまで嬉しそうでした。私は数秒おいてから顔を上げて、「そっか。よかったね」と言うのが精一杯でした。うまく笑えていない自覚はありました。指輪だけは「似合うね」とほめました。それが嘘にならない、唯一の言葉だったからです。「式、来てくれるよね」と聞かれて、「予定、確認しておくね」と返したのは、答えを先送りにするための逃げでした。話題を仕事の愚痴に変えたのも私です。彼女のケーキが崩れたまま減っていかないことに、気づかないふりをしました。

言えなかった事情

報告の少し前、私は5年付き合った恋人と別れていました。結婚の話が出ないまま終わった関係で、親友には伝えていませんでした。別れた直後は平気なつもりでいたのに、式場や指輪の話題を目にするたび、画面を閉じる癖がついていました。心配をかけたくないと言えば聞こえはいいけれど、実際は、口に出したら自分の惨めさを認めることになる気がして、黙っていたのです。翌日、招待状の下書きの写真がメッセージで届いたときも、長い返事を打ちかけては消して、「見たよ」とだけ送りました。祝いの言葉を並べるほど、書いている自分の空っぽさが目についたからです。

おめでとうの代わりに

数日後、私は長いメッセージを書きました。「ごめん。ちゃんとおめでとうって言えてなかった」別れたことも、今回はそのまま書きました。「おめでとうを言ったら、自分だけ取り残される気がして怖かった」それが本音でした。送ってから既読がつくまで、部屋の中を意味もなく歩き回りました。返ってきたのは文字ではなく、着信でした。

そして...

電話で、私はもう一度「よかったね」と言いました。言い終わるまで、自分の話を挟みたくなりませんでした。式の日取りを聞いて、同じ返事をしてから、ようやく手帳に書き込みました。通話のあと、消してしまった長い祝いの文面を、少しずつ書き直しています。招待状が届く日までに、今度は自分の言葉で渡すつもりです。彼女をうらやむ気持ちは、すぐには消えないと思います。それでも、隣で祝いたい気持ちのほうを先に渡すと決めました。

(20代女性・販売職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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