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恋と憧れの違いって? 70歳のマダムに心をつかまれた女子大生の「胸の高鳴り」の正体【書評】

  • 2026.8.22

【漫画】本編を読む

恋と憧れの違いは何なのだろう。相手の姿を見つけるだけで、声が聞こえるだけで、ときめく。もっと近づきたいなと思う。もう、ほとんど同じじゃないか。こんなにも胸が高鳴るのなら、その気持ちに名前をつけることさえ難しくなってくる。

『マダムが教えてくれたこと』(ユニカ/KADOKAWA)は、喫茶店でアルバイトをする女子大生が、70歳の気品あふれるマダムと出会い、自分の生き方を見つめ直していくコミック。お金も時間も夢もないと感じていた女子大生に、マダムの装いや言葉が変化をもたらしていくさまは、私たちの胸にも静かに響いてくる。

女子大生が働く喫茶店には、70歳のマダムがよくやってくる。整えられた白く短い髪、気品のあるブルーの装い、芯のある優しい声。お冷を差し出せば「ありがとう」と返ってくるだけなのに、その存在感に女子大生は心をつかまれる。

同僚から「恋ですね」と言われ、女子大生は思わず固まってしまう。たしかに、目の前に行くと緊張する。けれど、その人がいるだけで嬉しい。ときにカッコよく長いコートをなびかせ、ときに他の人は絶対着ないようなワンピースでタバコをふかし、ときにかわいいパステル調の服で新聞を読む。そんな姿にどうして心揺さぶられずにいられようか。

若い女子大生がマダムに抱いた気持ちは、恋なのか、憧れなのか。まだ名前なんてつけなくてもいい。自分もいつか、あんなふうに年を重ねられるのだろうか。そう思わせてくれる人との出会いは、それだけで人生を動かすきっかけになる。そんなふたりの物語の始まりに、これから何が起こるのか、楽しみで仕方がない。

文=アサトーミナミ

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