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「見ていられなかった」「しんどい」NHKドラマ続編で“目を背けたくなる”残酷な描写に飛び交う反響の声【土曜ドラマ】

  • 2026.9.10
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土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち2』第3話 9月5日放送 (C)NHK

獣医師となった岸本聡里(山田杏奈)に、あまりにも重い試練が訪れた。9月5日(土)に放送されたNHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち2』第3話では、折原牧場で口蹄疫が発生。感染拡大を防ぐため、愛情を注いで育てられた牛たちの全頭殺処分が決まる。「見ていられなかった」「しんどい」とSNS上で反響を呼んだ一連の場面は、命を守る仕事の裏側にある、目を背けたくなるほど残酷な現実を映し出していた。

※以下本文には放送内容が含まれます。

聡里に突きつけられた非情な決定

獣医師の国家試験に合格し、大動物を診る新米獣医師として能見正也(甲本雅裕)のもとで働き始めた聡里。動物と人間、両方の命を守りたいという夢をかなえたばかりの彼女を待っていたのは、あまりにも過酷な現実だった。

学生時代の実習でも世話になった折原勝喜(温水洋一)の牧場で、牛に異変が発生する。口の中に見つかった症状から、聡里たちの間に緊張が走った。検査の結果、恐れていた口蹄疫への感染が確認される。
口蹄疫は、牛や豚などの偶蹄類に感染する伝染病だ。感染力が非常に強く、ひとたび発生すれば、周辺地域の畜産業にも深刻な被害を及ぼしかねない。その拡大を食い止めるために下されたのは、折原牧場にいる牛たちをすべて殺処分するという決定だった。

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土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち2』第3話 9月5日放送 (C)NHK

牛を我が子のように育ててきた折原は、殺処分をやめてほしいと取り乱す。孫の七海(大石愛陽)もまた、慣れ親しんだ牛たちを失う現実を前に立ち尽くしていた。
現場の指揮を執る家畜保健衛生所の職員・犬飼健太郎(上川隆也)にも、能見にも、苦しむ折原を傷つけたい気持ちなどない。それでも全頭殺処分を進めなければ、さらに多くの牛や牧場が被害を受けるかもしれない。

誰か一人を悪者にできれば、まだ感情の行き場はあっただろう。しかし、ここにいる全員が牛の命を思い、それぞれの立場で正しいことをしようとしている。正しさと悲しみが両立してしまうからこそ、第3話は息苦しいほどにつらい。

命を救う手で命を絶つ

防護服を身につけた聡里たちは、殺処分を行うために牛舎へ入る。第3話は、この場面を克明に描いてみせた。

注射器を手にする聡里。しかし、その手は震えている。聡里の様子に気づいた能見が注射器を受け取り、牛へ薬を投与する。やがて牛の体から、ゆっくりと力が抜けていく。あれほど大きな体を持つ牛が、静かに命を失っていく。その様子を見つめる聡里の表情には、恐怖だけではなく、どうすることもできない無力感が浮かんでいた。

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土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち2』第3話 9月5日放送 (C)NHK

犬飼は、過去に口蹄疫が発生した際の経験を語る。来る日も来る日も殺処分を続け、注射器を持つ手の震えを抑えることに必死だったこと。そして、牛たちが自分を病気から救ってくれる医師だと信じるように、おとなしく注射を待っていたことを。
治してもらえると思っている牛へ、命を絶つための注射を打つ。獣医師への信頼が、処分する側の心をさらに深く傷つけるのだ。

犬飼は、まだ若い聡里に同じものを背負わせてよいのか迷う。しかし聡里は、残りの牛の殺処分を自分にもやらせてほしい、と申し出る。防疫が早ければ、そのぶん別の場所で処分される牛を減らせる。北海道の酪農を、日本の酪農を守るために、誰かがやらなければならないと理解したからだ。
「ごめんね、ありがとね」……心の中でそう語りかけながら、聡里は一頭ずつ処置していく。この言葉に込められているのは、命を奪うことへの謝罪だけではない。人間の暮らしを支え、折原たちとともに生きてきた牛への感謝でもある。

きれいごとでは終わらない“命を守る仕事”

聡里は、動物が好きで、その命を救うために獣医師を目指した。しかし獣医師になれば、すべての命を救えるわけではない。ときには、より多くの命を守るために、目の前の命を自ら絶たなければならない。
折原牧場の牛を殺処分したことは、聡里たちの失敗ではない。感染を食い止め、ほかの牧場の牛や、酪農を生業とする人々の暮らしを守るために必要な防疫だった。それでも、必要な措置だからといって、失われた命の重さが軽くなるわけではない。

本作の誠実さは、その大義だけを掲げて現場の悲しみを覆い隠さなかった点にある。“仕方がない”で物語を先へ進めず、牧場主の絶望も、獣医師が背負う傷も、牛たちが命を失う時間も映し続けた。
本作は、視聴者の心にも苦しさを残すことで、普段は見えない場所で誰かが非情な決断を引き受けていることを伝えたのだろう。

すべての命を救えることが、獣医師になるということではない。救えない命、救うために絶たなければならない命を前にしても、目をそらさず責任を引き受けること。その重さを知りながら、聡里は次の一頭へと歩いていった。あまりにも残酷で、それでも確かに、獣医師として踏み出した大きな一歩だった。


NHK 土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち2』毎週土曜 よる10時~
NHK ONE(新NHKプラス)同時見逃し配信中・過去回はNHKオンデマンドで配信

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