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「猫もじいちゃんを大切に思っていたよ、と言ってあげたかった」 祖父と愛猫の絆をモデルに描いた天国の話【著者インタビュー】

  • 2026.8.21

【漫画】本編を読む

たとえ少しの時間であっても、一緒に暮らしたペットはかけがえのない家族だ。天国へ旅立ち、肉体が自分のそばからいなくなったとしても、家族である飼い主はその子の幸せを願い続ける。

現役看護師でもある著者・中山有香里さんが描いた『天国での暮らしはどうですか』(中山有香里/KADOKAWA)は、そうした飼い主たちの心を優しく包み込んでくれる。

本作に描かれているのは、愛するペットや人間が天国へ旅立った“その後”の物語。自分が亡くなったあとの飼い主を心配する老犬や、3ヶ月しか一緒にいられなかった飼い主を想い続ける猫の姿など、登場する動物たちと飼い主の深い絆に涙が止まらなくなる。

作者である中山さんは、これまでどのような別れを経験し、どんな想いから本作を描いたのだろうか。作品制作の裏側を伺った。

――天国を舞台にした本作には心温まるストーリーが収録されており、読者からは「泣ける!」との声が続出しています。中山さんは執筆中、涙が止まらなかった場面はありましたか。

中山有香里さん(以下、中山):1巻に収録している「三郎とたまサブローの話」です。実はこの話、祖父と飼い猫がモデルなんです。

――そうだったんですね…! おじいさまはどんな方だったのでしょうか。

中山:ひとり暮らしで猫を飼っていました。自分より猫を大事にしていて、自分はカップラーメンばかり食べているのに、猫にはいいご飯をあげたりして。猫の病気などに備えて貯金もしていて、まさに猫のために生きている人でした。

でも、私がその暮らしぶりを知ったのは祖父が亡くなって、部屋を片付けに行ったときでした。祖父がどれほど猫を大切にしていたのかは、部屋を見るだけで分かりました。押し入れの奥からは、猫との写真が大量に出てきたんですよ。

――だからこそ、「三郎とたまサブローの話」には、とても思い入れがあるんですね。

中山:祖父と猫を想って描いた話なので、とくに思い入れが強く、思い出すだけで泣けてしまいます。この話は、「きっと、猫もじいちゃんを大切に思っていたよ」って伝えたくて描きました。個人的には、祖父が生きているうちに「もっと会いに行けばよかった」という後悔もあります。

――中山さんにとって、本当に大切なお話なんですね。ちなみに、本作にはご自身のペットとの別れやペットロスの経験をもとにしたエピソードも描かれているのでしょうか。

中山:自身のペットロスを描いたことはありませんが、愛犬の名前は借りました。また、2巻に収録されている「一番綺麗な私を」の主人公は、若くして夫を亡くした祖母がモデルです。

祖母は昔から、千日紅(センニチコウ)が好きで庭に植えていました。小柄で頬の色が赤かった祖母の姿は、小さくて赤い千日紅とどこか重なって、かわいい人でした。今頃、祖父に再会できているのかな、そのとき祖母はどんな様子なのかな…と想像しながら描きました。

取材・文=古川諭香

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