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出したゴミ袋が1回結びになっていた朝。生活時間を知る1階の女性から聞いた言葉

  • 2026.9.28

「今朝は早かったね」と言われて

私は2階建ての古いアパートの2階で、一人暮らしをしている。

1階の角部屋には、ここに長く住んでいる70代くらいの女性がいる。

その部屋の窓は、アパートの入り口とゴミ置き場の正面にあった。

女性は階段の掃き掃除をまめにしていて、顔を合わせればいつも笑顔で挨拶してくれる。

私はずっと、面倒見のいいご近所さんだと思っていた。

ある月曜の朝、いつもより1時間早く家を出ると、ゴミ置き場の前で女性が掃除をしていた。

「おはよう。今日はずいぶん早いのね」

「おはようございます。今日は早番なんです」

「そうなの。気をつけてね」

笑顔に見送られて歩き出したものの、駅へ向かう途中でふと気になった。

どうして、普段より1時間早いと分かったのだろう。

ゴミ袋の結び方まで変わっていた

それから2週間ほどたった朝のことだった。

ゴミ袋を出して部屋へ戻ったあと、小さな袋を出し忘れたことに気づき、10分ほどしてもう一度下へ向かった。

すると、さっき出したはずの袋の口が、ゆるい1回結びになっていた。

私はいつも、きつく2回結んでいる。

見間違いかもしれない。誰かが触ったところを見たわけでもない。それでも、妙に気になった。

その日の夕方、仕事から帰ると、階段の下で女性と顔を合わせた。

「おかえりなさい。昨日、燃えないゴミの日だったのに出さなかったのね」

思わず足が止まった。

「…はい。まだ、そんなにたまってなかったので」

「そうなのね」

女性はいつもと変わらない笑顔で、そのまま自分の部屋へ戻っていった。

朝の出勤時間に続いて、今度はゴミを出したかどうかまで知っている。しかも、あの窓からなら入り口もゴミ置き場もよく見える。

それまで気にならなかった窓が、急に近く感じられた。

管理会社に伝えたのは、分かっていることだけ

翌日、私は管理会社へ電話をかけた。

「1階の方のことで、少し相談したいんですが…」

「はい。どうされましたか?」

「私がいつも家を出る時間や、ゴミを出したかどうかを知っているみたいで。出した袋も、戻ったら結び方が変わっていたんです」

少し間を置いて、担当者は答えた。

「分かりました。まずは全戸向けに、共用部分についてのお知らせを出しますね」

数日後、入り口の掲示板に「共用部分のマナーについて」という張り紙が貼られた。名前も部屋番号も書かれていない、住人全員に向けた内容だった。

それ以降、女性から何かを言われたり、責められたりしたことはない。顔を合わせれば、今までと同じように挨拶をする。

私も今も同じアパートに住んでいる。ただ、ゴミ袋の口は以前より念入りに結ぶようになった。

朝、袋を持って外へ出ると、つい1階の窓へ目が向いてしまう。

今朝もゴミを出して振り返ると、その窓のカーテンが少しだけ開いていた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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