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泣く娘を理由に隣の客へ我慢を求めた私、会計後に戻った席

  • 2026.8.21
ハウコレ

女性は引きませんでした。正面から返された一言に、次の言葉を探せないまま、店員がこちらへ歩いてくるのが見えました。

娘の泣き声のすき間に、隣の席へ器を置く音が聞こえて、私は顔を上げてしまいました。

冷たいものを止められていた娘

その日、娘は歯の治療を終えたばかりでした。数日は冷たいものを控えるように言われていて、大好きなソフトクリームもお預けです。それなのに帰り道、娘は喫茶店の前ののぼりを指さして、その場から離れようとしませんでした。別の食べ物を見せれば納得すると考えて、私は娘を連れて店に入りました。席についてからも娘は「ソフトクリームたべたい」と繰り返し、私はメニューを閉じたまま首を横に振り続けました。

言い返された正論

隣の席に若い女性が案内され、その人の前へストロベリーソフトクリームが届きました。娘の泣き声は一気に強くなり、周りの視線が集まっていくのがわかりました。早く泣きやませなければという焦りだけで、私は「隣でソフトクリーム食べないでください」と口にしていました。女性は器を引き寄せて、「注文したものを食べているだけです」と返しました。その通りです。それなのに私は、「子どもが泣いているんだから、少しは配慮してください」と重ねました。事情を話して断られるのが怖くて、正しさで押し切ろうとしたのだと思います。

下を向いた私と、店員の声

店員が近づいてきて、「どうかされましたか」と聞きました。説明しようと口を開きかけて、出てきそうになったのは、また娘を理由にする言い訳でした。そのまま下を向きました。女性は器を持って立ち、「窓際に移ります」と店員に伝えて席を変えました。娘にホットケーキを頼んだあとも、窓際の背中が目に入るたび、自分の言葉の順番が間違っていたと思いました。先に伝えるべきだったのは、お願いではなく事情でした。

そして...

会計を済ませて、娘の手を引き、窓際のテーブルへ向かいました。「さっきはごめんなさい。言い方がきつくなってしまって」。頭を下げてから、「娘が歯の治療のあとで、冷たいものを止められていて」と伝えました。女性は「そうだったんですね。私も、言い方がきつかったです」と返してくれました。帰り道、治療が終わったらあの店でソフトクリームを食べる約束を娘としました。次に誰かへお願いをするときは、先に事情を話します。あの日言えなかった一言を、もう後回しにしないためです。

(30代女性・パート)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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