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産婦人科医「見逃してほしくない」→実は『子宮頸がん』のサインかも…40代以降の女性こそ注意すべき「身体の異変」とは?

  • 2026.11.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「自覚症状がないから大丈夫」「閉経したし、もう関係ない」

そう思って、子宮がん検診から何年も遠ざかっていませんか?

厚生労働省の指針では、20歳以上の女性に対して「2年に1回」の子宮頸がん検診が推奨されています。しかし、子宮頸がんには初期には自覚症状がほとんどなく、知らない間に進行してしまうリスクが潜んでいます。仕事や家族のケアに追われる40代以降の女性こそ、見逃してほしくない知識があります。

今回は、産婦人科専門医・産業医のギネコ先生に、40代以降の女性が子宮頸がんのリスクを見落としやすい理由から、検診を受けるための具体的な一歩まで、詳しくお話を伺いました。

「症状がないから安心」は大きな誤解? 子宮頸がんが見逃されやすい本当の理由

---40代以降の女性が子宮頸がんのリスクを見逃しやすいのはなぜでしょうか?自覚症状がないことと、どんな関係があるのでしょうか?

ギネコ先生(産婦人科専門医・産業医):

「40代以降の女性が子宮頸がんのリスクを見逃しやすい背景には、原因となるウイルスに感染してからがんに至るまでに長い年月がかかることがあり、その間は体調の変化だけでは気づきにくいという特徴があります。

子宮頸がんの多くに関わるHPV(ヒトパピローマウイルス)は、主に性的接触によって感染するごく身近なウイルスです。感染しても大半は免疫の働きによって自然に検出されなくなりますが、一部の高リスク型が長く留まると、数年以上の時間をかけて前がん病変を経てがんへと進むケースがみられます。

そもそもHPVの感染そのものは強い炎症を起こしにくいため、感染していても痛みや発熱などを手がかりに気づくことは困難です。また、子宮の入口にあたる子宮頸部の表面の細胞に変化が生じた前がん病変や、ごく初期のがんの段階でも、通常は自覚症状がほとんどありません。このように長い時間差があるため、ここ数年性交渉がなくても、過去の感染が関わる場合があるのです。

HPV検査が陽性でも、がんと決まったわけではなく、いつ誰から感染したかも特定できません。現在の生活状況や無症状であることだけでは、異常の有無は判断できないのです。検診は、こうした自分では気づけない変化を見つけるための検査です。」

「閉経したから関係ない」は危険信号? 検診を後回しにするほど高まるリスクとは

---「閉経したからもう大丈夫」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。何年も検診を受けていないことで、実際にどのような問題が起こりうるのでしょうか?また、どんな症状があれば受診が必要なのでしょうか?

ギネコ先生(産婦人科専門医・産業医):

「閉経を迎えたからといって、過去のHPV感染や、すでに子宮頸部に生じていた細胞の変化が消えてなくなるわけではありません。

何年も検診から遠ざかっている場合に最も懸念されるのは、自覚症状のない前がん病変や早期のがんを見つけ出し、適切な経過観察や治療につなげる大切な機会を逃してしまうことです。たとえ細胞に変化が起きていても、前がん病変の段階で発見できれば、状態に応じて慎重に経過をみたり必要な処置を行ったりして、がんへの進行を防ぐ対応がとれます。症状が出るまで待つと、進行した段階で見つかり、より負担の大きい治療が必要になる場合もあります。

一方で、月経以外の出血や性交後の出血、閉経後の出血、いつもと違うおりものなどがある場合は、検診の予定を待たずに婦人科の診療を受けてください。特に閉経後は、ごく少量の出血であっても早めに相談してください。

特に注意していただきたいのが『閉経後の出血』です。閉経後の不正出血は、子宮頸がんだけでなく、子宮の奥の内膜から発生する『子宮体がん(子宮内膜がん)』の代表的な危険サインでもあります。自治体などの一般的な子宮がん検診は主に『子宮頸がん』を調べるものであり、子宮の奥や卵巣の状態まではカバーできません。出血などの症状がある状態で頸がん検診だけを受けて『異常なし』と安心してしまうと、重大な病気の発見が遅れる恐れがあります。

こうした症状があっても原因が必ずしもがんとは限りませんが、婦人科で原因を確かめる必要があります。なお、子宮頸がん検診はあくまで子宮の入口を調べる検査であり、子宮体がんなどすべての婦人科の病気がわかるわけではありません。過去の検診結果が正常であっても、気になる症状はそのつど相談しましょう。」

「何年も受けていない…」そんな人が今日からできる、検診への具体的な一歩

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---久しぶりに検診を受けようと思っても、どこに連絡すればいいか、受診券がなくても大丈夫か、内診への不安など、ハードルを感じている方も多いと思います。最初の一歩をどう踏み出せばよいか、具体的に教えてください。

ギネコ先生(産婦人科専門医・産業医):

「何年も検診を受けていない方の最初の一歩は、検診の予約または問い合わせを1件だけ入れてみることです。「お住まいの自治体名+子宮頸がん検診」で検索して窓口や実施医療機関を探すか、近くの婦人科へ「何年も検診を受けていないので受けたい」とそのまま伝えてみてください。

手元に自治体の受診券や過去の検査結果が見当たらなくても、探し終わるまで待つ必要はなく、まずは市区町村の窓口や予約先にその旨を問い合わせて進め方を確認するとスムーズです。もし出血などの気になる症状がある場合は、検診ではなく最初から診療の予約としてその症状を伝えましょう。

また、閉経後の女性や久しぶりに内診を受ける方の中には、『器具を入れるときの痛みが怖い』と躊躇される方も少なくありません。閉経後は女性ホルモンの低下によって腟の粘膜が薄く乾燥しやすくなる(萎縮性腟炎・GSM)ため、若い頃よりも内診で痛みや違和感を覚えやすくなります。これは決してご自身だけの問題ではありません。

予約時や問診の際に『痛みに弱い』『閉経後で痛みが心配』と事前に伝えていただければ、医師は一番細い器具(Sサイズのクスコ腟鏡)を選択したり、潤滑ゼリーを多めに使用したり、声かけをしながらゆっくり器具を挿入するなどの配慮が可能です。痛みを我慢する必要は全くありませんので、遠慮なくお伝えください。

予約が取れたらスマートフォンの予定表に書き込み、受診当日は結果の受け取り方法と時期を確認しておきます。もし『要精密検査』となっても、直ちにがんと確定したわけではありません。前がん病変の有無や進行度を詳しく調べる必要があるので、必ず精密検査を受けてください。次回の受診時期は検査方法や結果によって異なるため、結果と一緒に届く案内に従いましょう。」

「自分には関係ない」と思っていた人ほど、今すぐ動いてほしい

今回の取材を通じて、「症状がないから安心」「閉経したから大丈夫」という思い込みが、子宮頸がんや婦人科疾患の発見を遅らせる最大の落とし穴になりうることがわかりました。

HPVは感染しても気づきにくく、細胞の変化が始まっていても自覚症状はほとんどありません。だからこそ、2年に1回の検診は“自分では気づけない変化を見つける手段”なのです。

痛みが不安な場合でも、事前に伝えることで十分な配慮を受けられます。難しく考える必要はありません。まずは「お住まいの自治体名+子宮頸がん検診」と検索するか、近くの婦人科に電話を一本かけてみてください。受診券がなくても、何年ぶりでも、不安があっても、そのまま正直に伝えれば大丈夫です。

大切な自分の体を守るための一歩を、今日から始めてみてください。


監修者:ギネコ先生(産婦人科専門医・産業医)
周産期医療や婦人科腫瘍を含む産婦人科全般の幅広い診療を経て、現在は不妊治療を中心に診療を行う。あわせて思春期から更年期、老年期まで女性の生涯にわたる健康支援にも注力している。SNSでは「女性のお悩み相談室」として、生理やピル、妊活、おりもの、更年期などにまつわる「これ受診?」という日常の疑問に対し、医学的根拠と受診の目安をわかりやすく発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/doctor_cat_woman
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