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“虫歯の治療”を受けた50代女性→「柔らかいパンなら…」麻酔が切れる前に食事したところ…帰宅後、口の中に起きていた“異変”

  • 2026.10.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。歯科医師の鷹巣多紀です。

昼休みに歯の治療を受ける日は、会計の後に急いで昼食をとりたくなるものです。けれども、次の予定までに口元の感覚が戻るとは限りません。

今回は、午後の会議に間に合わせようと、麻酔が残ったまま昼食をとった50代女性の事例から、しびれが続く時間の目安と、食事や飲み物で気をつけたい点を解説します。

コップの水がこぼれ、ハンカチで拭った

50代の女性は、昼休みに右下の奥歯の虫歯治療を受けました。会計を済ませたのは12時半過ぎで、午後1時半から会議があります。

麻酔が切れるまで食事を控えるよう聞いていましたが、空腹のまま会議に出るのも気が進みません。「柔らかいパンなら」と、たまごサンドを買って職場へ戻りました。

コップの水を飲もうとすると、唇の端から水がこぼれました。ハンカチで拭い、少し食べにくいと感じながらも、痛みがないので昼食を続けます。

会議の後、しびれが薄れると右の頬がひりひりしてきました。帰宅して鏡を見ると、頬の内側に赤い傷と腫れがあり、歯医者へ連絡します。

診察では、しびれている間に頬を噛んだ可能性を説明されました。噛んだ覚えがなかった女性は、痛くないからと食べ続けたことを振り返りました。

 麻酔が切れるまで、どれくらいかかるのか

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

歯科の局所麻酔(治療する部分の感覚を鈍くする麻酔)には、たとえば1〜2時間ほど効くものもあれば、下顎の奥歯などの治療で行われる「伝達麻酔」のように2〜4時間以上しびれが続くものもあります。使う薬や注射する場所、個人の代謝によっても変わるため、全員に当てはまる時間ではありません。

また、歯の痛みを抑える効果より、唇や舌のしびれが長く続くこともあります。昼休みに治療が終わっても、午後の仕事が始まる頃に口元の感覚が戻っているとは限りません。

「1時間たったから」と時計だけで決めず、食事は唇・頬・舌の感覚が完全に戻るまで待ちましょう。

どうしても空腹で何か口にしたい場合は、噛む必要がなく熱くないゼリー飲料や栄養補助ドリンクなどで済ませるのが安全です。また、抜歯などの処置を受けた場合は、感覚が戻った後も食べ方に注意が必要です。帰る前に、その日の治療に合った食事の取り方を確認してください。

 唇がしびれると、水を飲むときにも困る

唇がしびれていると、コップが触れる感覚が分かりにくく、水が口元からこぼれることがあります。女性がハンカチで拭ったときも、唇の感覚はまだ戻っていませんでした。

柔らかいパンでも、噛むときに無意識に頬の内側や舌を強く挟んでしまうことがあります。麻酔で痛みを感じにくいため、傷になっていることに気づかず食べ続けてしまうのです。

熱いコーヒーや味噌汁も、温度を感じ取りにくい間に重度のやけどにつながるおそれがあります。麻酔が効いている間の飲食は原則として控え、どうしても飲む場合はぬるめの水などにとどめましょう。

しびれを確かめようと、唇を噛んだり熱い物を当てたりしないでください。水をこぼさずに飲めたことだけでも、食事を始めてよいとは判断できません。

食事と会議の予定まで伝えておこう

傷の痛みや腫れが強まるときや、説明された時間を過ぎてもしびれが改善しないときは、治療した歯医者へ連絡してください。「昼頃に麻酔をして、右下の唇のしびれが変わらない」など、いつ、どこに、どの程度残っているかを伝えると経過が分かります。

今回の女性のように、昼休みの治療後にすぐ食事が必要な状況は、誤咬や火傷のリスクが高まります。治療予約を入れる際は、事前に「午後に大事な会議がある」「食事の時間を確保したい」などと歯科医師やスタッフに伝えておくのがおすすめです。

麻酔の種類や量を調整したり、治療内容に応じた具体的なアドバイスを受けたりすることで、大切な口元の健康を守りながら、無理のないスケジュールで受診することができます。


執筆・監修:鷹巣 多紀

大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
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