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“退職金2,200万円”を受け取った60代男性→「全額NISAに入れたい!」証券会社へ駆け込むと…窓口で教えられた“賢い運用プラン”

  • 2026.9.23
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、受け取った退職金をすべて新NISAに入れようとした60代のAさんの体験談です。

「非課税で運用できるのだから、全部入れたほうが得なはず」

そう考えていたAさんでしたが、窓口で二つの上限を知ります。退職金のようなまとまったお金をNISAで運用するときに、知っておきたいポイントをご紹介します。

退職金2,200万円、全部NISAに入れられると思っていた

Aさん(60代)は3月に定年を迎え、退職金として2,200万円を受け取りました。

住宅ローンは完済し、子どもも独立しています。

「預金に入れても年0.4%。NISAなら利益に税金がかからないと聞きました」

NISAを使うのは初めてです。Aさんは証券会社の窓口で、2,200万円をすべて新NISAに入れたいと伝えました。

しかし、担当者の返答は、Aさんの想定とは違うものだったのです。

NISAには「年360万円」と「1,800万円」の上限がある

「NISAには、二つの上限があります」

ひとつは、1年間に投資できる金額です。つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合わせて年360万円までとなっています。

ただし、つみたて投資枠は定期的・継続的に買い付ける枠です。120万円を一度に投資することはできず、積立によって埋めていくことになります。

もうひとつは、非課税で保有できる金額の上限です。買ったときの金額で数えて1,800万円まで、うち成長投資枠は1,200万円までとされています。

「では、2,200万円をそのまま入れることはできないのですか」

買ったときの金額で1,800万円までですので、売らずに持ち続ける前提であれば、400万円は課税口座で運用することになります。しかも年360万円の上限があるため、1,800万円を使い切るには最短でも5年かかります。

Aさんが今年、新NISAに入れられるのは、360万円までだったのです。

入りきらない資金は、課税口座で運用して翌年から移していく

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「では、残りの1,840万円は、預金に置いておくのですか」

担当者が示したのは、別の方法でした。

投資に回すと決めた資金であれば、入りきらない分も課税口座(特定口座)で運用しておきます。そのうえで翌年以降、その商品を年360万円分ずつ売却し、NISAで買い直していきます。

なお、年360万円を使い切るには、つみたて投資枠の対象となる投資信託も選ぶ必要があります。成長投資枠の240万円はまとめて買い付けられますが、つみたて投資枠の120万円は積立で埋める枠です。

たとえば1年目はNISAに360万円、課税口座に1,840万円。毎年同じように移すと、5年で1,800万円がNISAへ、残る400万円は課税口座です。いずれも値動きや税金を考えない、購入額ベースの数字です。

この形であれば、1年目から2,200万円全体を運用に回せます。

課税口座からNISAへは「移す」のではなく「売って買い直す」

ただし、課税口座の商品をそのままNISA口座へ移すことはできません。いったん売却し、NISAであらためて買い直す必要があります。

売却時に利益が出ていれば、その利益には原則として20.315%の税金がかかります。たとえば、360万円分を売却して40万円の利益が出ていた場合、税額は約8万円です。源泉徴収ありの特定口座なら、その分だけ手元に残る資金は減りますので、NISAで同じ360万円を買い直すには、多めに売るか手元の資金を足すことになります。

また、この方法は1年目にまとまった額を投資するため、購入時期は分散されません。

投資する商品によっては元本割れもあります。まずは生活費や急な出費に備える資金を確保し、当面使う予定のないお金を投資に回すことが大切です。

退職金のようなまとまった資金は、非課税かどうかだけでなく、手元に残す資金とのバランスも考えながら、いつ、いくら投資するのかを決めることが大切です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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