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「大学費はこれで安心」こどもNISAで“600万円”の満額積立を狙う40代父→後日、IFAに指摘されて青ざめた“120万円”の大誤算

  • 2026.9.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

2027年から、NISAのつみたて投資枠が0~17歳にも広がります。いわゆる「こどもNISA」で、年間60万円まで投資でき、非課税保有限度額は600万円です。この600万円は、実際の評価額ではなく、購入したときの金額をもとに計算されます。

「子どもが小さいうちから積み立てて、大学進学まで運用を続ければ安心」と考える家庭もあるでしょう。

しかし、教育費を投資で準備するときは、「いくら積み立てるか」だけでなく、「いつ現金に戻すか」も重要です。大学入学の直前に相場が下がれば、それまで順調に増えていた資産でも、必要な金額を確保できない可能性があります。

今回は、こどもNISAを使って大学費用を準備しようと考えたEさん夫婦のケースから、「出口」の考え方を見ていきます。

「大学費はこれで安心」600万円の枠があるなら大丈夫?

42歳のEさんと40歳の妻には、小学生の息子がいます。

Eさん夫婦が考えていたのは、2027年からこどもNISAを使い、大学進学に向けた資金を準備することでした。年間では60万円まで投資でき、非課税保有限度額は600万円です。

Eさん夫婦は「子どもが小さいうちから積み立てを始めて、大学進学まで長く運用すれば、まとまった教育資金を準備できそう」と考えていました。できるだけ長く運用すれば、その分増える可能性もある。そう考え、大学進学が近づくまでは運用を続け、18歳ごろになったら必要な分を売ればよいと思っていたのです。

ところがIFAに相談すると、こんな指摘を受けました。

「18歳ごろまで運用を続けることだけでなく、大学進学まで3年ほどになった段階から、いつ現金に戻すかも考えておく方法があります」

Eさん夫婦は意外に感じました。

「長く運用する方がいいと思っていたので、大学までまだ3年もある時点から売ることを考えるとは思いませんでした」

夫婦が見落としていたのは、大学に入る時期と相場が高い時期が重なるとは限らないことでした。

600万円あっても、20%下がれば480万円に

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

たとえば、大学進学が近づいた時点で投資信託の評価額が600万円あったとします。

その後、相場が20%下落すると評価額は480万円です。25%下落すれば450万円まで減ります。大学費用として600万円を予定していれば、20%の下落で120万円、25%なら150万円の差が生まれます。

もちろん、大学入学前に20%や25%下落すると決まっているわけではありません。ただ、投資信託には値動きがあるため、大学進学の時点でも600万円が残っているとは限りません。

さらに、教育費は使う時期を簡単には変えにくいお金です。相場が下がったからといって、「大学入学を2年待とう」とは簡単にいきません。入学金や授業料は、決まった時期に支払う必要があります。

Eさん夫婦が考えていた「18歳ごろまで運用して、そのとき売ればいい」という計画には、必要な時期に相場が下がっている可能性が抜けていたのです。

大学まであと3年、600万円を全部売る必要はある?

では、大学進学まで3年ほどになったら、投資しているお金をすべて現金にした方がよいのでしょうか。

必ずしもそうではありません。こどもNISAでは、12歳以降、子どものために使う資金について、子どもの同意など一定の要件を満たせば払出しができます。そのため、大学進学が近づいてきたら、「いつ、いくら必要になるのか」を確認しながら、必要な分を少しずつ現金に移していく方法があります。

たとえば、大学入学時までにまず200万円を確保しておきたいとします。大学まで3年ほどになった段階で運用状況を確認し、必要に応じて一部を現金に移す。その後も進学まで2年、1年と近づいてきたら、次に使う予定のお金を確認していくという考え方です。

一方、大学3年目や4年目に使う予定のお金まで、3年前にすべて現金にする必要があるとは限りません。早く現金化すれば値下がりの影響は受けにくくなりますが、その後に相場が上昇した場合の利益は得られません。

つまり、「15歳になったら売る」という決まりがあるわけではありません。

大学進学まで残り3年程度になったら、「全部持ち続ける」「全部売る」の二択ではなく、いつ使うお金なのかを分けて出口を考え始めるということです。

「600万円の枠」と「18歳で600万円残る」は別の話

こどもNISAでは、年間60万円まで投資でき、非課税保有限度額は600万円です。ただし、この600万円は大学入学時に受け取れる金額ではありません。

つまり、「600万円の枠があるから大学費用は安心」とは限らないということです。

教育費として利用するのであれば、「いくら積み立てるか」という入口だけでなく、「大学入学時にいくら必要か」「そのお金を何年前から現金に移していくか」という出口まで考えておく必要があります。

こどもNISAを教育資金づくりに利用するなら、「何を買うか」「何歳から始めるか」だけでなく、「いつ現金に戻すか」まで考えておくことが重要なのです。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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