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「高額な治療も安心」妻の手術費200万円を“特約”で払おうとした60歳夫→後日、保険会社に突きつけられた“予想外の宣告”に唖然

  • 2026.10.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

 「先進医療特約を付けておけば、健康保険が使えない高額な治療でも安心」

そう考えて特約を付けている方は多いのではないでしょうか。ところが、先進医療特約は「健康保険がきかない治療」を何でも保障するものではありません。

今回は、妻の治療を前に費用を調べていた61歳男性が、保険会社への確認で思わぬ事実を知った事例をご紹介します。個人が特定されないよう、内容の一部を変更しています。

 「200万円でも特約があるから大丈夫」

Aさん(仮名・61歳)の妻(59歳)は、病気が見つかり、治療方針を考えることになりました。

夫婦で情報を集めるうちに、あるクリニックで行われている治療を知ります。健康保険は使えず、費用は約200万円とのことでした。

金額を聞いて一瞬ためらったものの、Aさんはすぐに妻の医療保険を思い出しました。数年前の見直しで、先進医療特約を付けていたのです。

当時、担当者から「健康保険がきかない高額な治療に備えられます」と説明を受け、月々数百円の保険料で付けられると聞いて決めたものでした。その説明は、いつしかAさんの中で「保険がきかない治療なら何でも出る」という理解に変わっていました。

「保険がきかない高い治療のための特約だから、200万円も出るはずだ」念のため、治療を申し込む前に保険会社へ問い合わせることにしました。

「その治療は、先進医療に該当しません」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

担当者の答えは、Aさんの予想とは違うものでした。

「お問い合わせの治療は、厚生労働大臣が定める先進医療に該当しないため、先進医療特約のお支払い対象にはなりません」

「健康保険が使えない治療は、先進医療ではないのですか?」

Aさんは、「保険がきかない=先進医療」だと思い込んでいたことにこのとき初めて気づき、唖然としていたといいます。

「保険がきかない治療」がすべて先進医療ではない

公的医療保険の対象外の治療が、すべて先進医療に当たるわけではありません。先進医療に該当するのは、次の3つの条件を満たして受けるものに限られます。

  • 技術:厚生労働大臣が定めた先進的な医療技術であること
  • 病気:技術ごとに定められた適応症(対象となる病気)であること
  • 医療機関:届け出をするなど、条件を満たした医療機関で受けること

同じ治療法でも、対象の病気でなかったり、条件を満たしていない医療機関で受けたりすれば、先進医療にはなりません。技術名や実施医療機関の一覧は、厚生労働省のホームページで確認できます。

また、対象の技術は見直されることがあり、健康保険が使えるようになったり、対象から外れたりすることもあります。先進医療特約は一般的に「治療を受けた時点で先進医療に当たるか」で判断されるため、以前調べた情報が今も当てはまるとは限りません。 

費用の負担のしかたも変わる

先進医療に当たるかどうかで、治療費の払い方も大きく変わります。

先進医療の場合、全額自己負担になるのは先進医療の技術にかかる費用だけです。診察や検査、投薬、入院などは、通常の治療と同じように健康保険が使えます。

一方、国が認めた仕組みの外で受ける保険外の治療(いわゆる自由診療)を健康保険の治療と組み合わせると、原則として、あわせて受けた診察や検査なども含めて全額が自己負担になります。保険の治療と保険外の治療を組み合わせる「混合診療」は、先進医療や差額ベッド代など一定の場合を除き、原則として認められていないためです。治療費の見積もりは、技術の費用だけでなく、全体でいくらかかるかを確認しておきたいところです。

なお、先進医療特約の給付金は、一般的に先進医療の技術料(本人が負担した額)と同じ額で、診察料・検査料・入院料など公的医療保険の対象となる費用は対象外です。給付には「通算2000万円まで」など、契約ごとの上限があります。商品によっては、国の制度である患者申出療養を対象に含めたり、別に給付金を設けたりするものもあります。

治療を決める前に、2か所へ確認を

保険会社の説明を受けて、Aさん夫婦は主治医にあらためて相談しました。健康保険が使える治療の選択肢と、それぞれの費用や見通しを聞いたうえで、治療方針を一から考え直すことにしたそうです。

「申し込んでから知っていたら、200万円を全額自分たちで払うところでした」

高額な治療を検討するときは、次の2か所に確認しておくと安心です。

1. 医療機関に:その治療は先進医療か、この病院は先進医療の実施医療機関か、総額でいくらかかるか
2. 保険会社に:治療名と医療機関名を伝え、特約の支払い対象になるか、上限額はいくらか

特約が付いていることと、検討している治療が対象になることは、別の話です。保障の有無だけで安心せず、治療を決める前に確かめること。それが、いざというときに「思っていたのと違った」と慌てないための備えになります。


※先進医療特約の支払対象、給付の上限額、対象となる時点の判断などは、保険会社・商品・契約時期によって異なります。先進医療の対象技術や実施医療機関は見直されることがあります。詳しくは厚生労働省のホームページや、保険証券・約款をご確認いただくか、加入先の保険会社へお問い合わせください。

執筆:あしふみ

大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報を分かりやすく伝えている。

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