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“天国の大切な相手”へメッセージを贈るなら? 「あの子の行き先は、こんなところであったらいいな」という想いから生まれた物語【著者インタビュー】

  • 2026.8.19

【漫画】本編を読む

たとえ少しの時間であっても、一緒に暮らしたペットはかけがえのない家族だ。天国へ旅立ち、肉体が自分のそばからいなくなったとしても、家族である飼い主はその子の幸せを願い続ける。

現役看護師でもある著者・中山有香里さんが描いた『天国での暮らしはどうですか』(中山有香里/KADOKAWA)は、そうした飼い主たちの心を優しく包み込んでくれる。

本作に描かれているのは、愛するペットや人間が天国へ旅立った“その後”の物語。自分が亡くなったあとの飼い主を心配する老犬や、3ヶ月しか一緒にいられなかった飼い主を想い続ける猫の姿など、登場する動物たちと飼い主の深い絆に涙が止まらなくなる。

作者である中山さんは、これまでどのような別れを経験し、どんな想いから本作を描いたのだろうか。作品制作の裏側を伺った。

――現在1~2巻が発売されている「天国での暮らしはどうですか」シリーズですが、あらためて本作制作のきっかけを教えてください。

中山有香里さん(以下、中山):私はもともと、疲れた人が癒やされるような食事をクマやサケが届ける『疲れた人に夜食を届ける出前店』(KADOKAWA)という漫画を描いていました。

その中で、妻に先立たれて絶望した夫に対して死神が「天国は今頃いちごフェアだ」と話す物語を描いたんです。その漫画をSNSでアップしたら、「天国の家族もいちごフェアを楽しんでいるかもしれないと思うと嬉しかった」という声をいただいて。もっと天国の話や遺された家族たちの話を描いてみたいと思うようになったんです。

――まるで天国のペットたちへ語りかけているかのような、どこか切なくも温かい『天国での暮らしはどうですか』というタイトルも印象的です。この疑問形のタイトルを選んだのには、どんな想いがあったのでしょうか。

中山:私は、自分の感情や考えを言葉にすることがとても苦手な人間です。家族が亡くなったときも感情を上手く出せず、なぜか涙も出なくて…。でも、亡くなった家族やペット、友人、患者さんなどを思い出しながら本作を描く中で、少しずつ自分の気持ちが整理されていきました。

もし、言葉にすることが下手な私が故人に向けて語りかけたり手紙を書いたりしたら、きっと出だしはこうだろうなと思い、このタイトルにしたんです。登場するキャラクターたちに想いを馳せ、「あの子の行き先は、こんなところであったらいいな」と思いながら、物語を描き続けています。

――本作は死や生をテーマにしているため、生きることや死ぬことをより現実の問題として考えさせられました。中山さんは本作を描く中で、死や生に対する価値観に変化はありましたか。

中山:以前は寝る前に、いつかくる自分の死や家族の死を考えて、すごく大きな不安や恐怖を感じることがあったのですが、今は少し前向きになりました。

「死後には、こんな世界が待っているかも…?」という妄想を形にできたことが恐怖に怯える自分を救ってくれたのかもしれません。

取材・文=古川諭香

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