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「それ、何の意味があるの?」と笑われた娘→反復練習が生んだ圧倒的スケーティング技術の正体とは

  • 2026.8.17

これは、娘が4歳でアイスホッケーを始めてから今日までの話です。娘が氷を降りるのは、2〜3時間に一度、20分間だけ入る製氷車の時間だけです。7歳の頃には涙と叱責の日々もありましたが、それでも娘の口から出なかった言葉と、そこから育った技術とは──。

製氷の20分間以外、娘はリンクを降りない

娘は、4歳でアイスホッケーを始めた頃から、休憩中さえも氷を降りない意思を貫いています。

私が「一回降りて、足を休ませたら?」と声をかけても、娘は「じゃあ自由滑りしてくるね!」と答えるだけです。氷を離れるのは、2〜3時間に一度、20分間だけ入る製氷車のために「リンクを出てください」と声がかかる時間のみです。

自由滑りとは、決まったメニューではなく、ダッシュをしたり、ひょうたんを描くように滑ったりと、娘自身が選んだ動きで2、3周を滑ることを指します。

9歳になった今も、この意思は変わりません。

「それ、何の意味があるんですか」地味な反復練習を鼻で笑われた日々

小学2年生になった頃、自主練習の中心は地味な反復練習でした。

腰を落とす姿勢だけでなく、ダッシュのための足の蹴り方、力を入れる場所、足先や指先まで力を込める感覚、骨盤や大腿骨の使い方まで、己の限界や集中力と向き合いながら一つずつ確認する時間です。

この練習を見ていた、中高生の子どもを持つ保護者からは、「それ、何の意味があるんですか?」と聞かれることが何度もありました。1時間も2時間も同じ動きを繰り返す娘の姿を、鼻で笑う人もいました。

それでも変わらずに、付き添う私は「もっと腰を落としなさい」「骨盤を意識しなさい」と繰り返し伝え、「地味な練習で嫌かもしれないけれど、これがいかに大切なことになるかは後からわかるから、今は自分とママやパパを信じて頑張りなさい」と娘に言い続けました。

できない技術に直面した娘は、涙を流す日もあります。
そんな時は決まって「泣くなら、氷から降りなさい」と叱りました。そのたびに、娘はサッと涙を拭きもう一度氷に向き合います。

圧倒的なスケーティング技術を身につけた娘

試合で、娘の確実なスケーティング力が際立ちます。相手を追い抜き、体を寄せられても崩れずに守り抜きます。ごまかしのきかない技術は、実戦の速度とプレッシャーの中でこそ確実に生きるようになりました。

現在、移住した北海道のチームで、娘はスケーティングのお手本を求められる場面が増えました。コーチからも、「このレベルのスケーティング技術を身につけるのは非常に難しい 」「スケーティングがしっかりできている」と評価をもらっています。

「圧倒的技術」の正体

娘の技術は、天性のセンスによるものではありません。

涙を流しながら練習を重ねた日も、意味がないと笑われた日も、「氷から降りなさい」と叱られた日も、娘が最後まで口にしなかった言葉があります。それは「辞める」の一言です。

製氷の20分間以外は氷を降りず、4歳から積み重ねてきたこの「1秒」の意思こそが、圧倒的なスケーティング技術の正体です。

【体験者:30代・女性、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Qolyコラムニスト:村岡栞里

子どものアイスホッケー環境を整えるため、九州から北海道への移住を果たした、並外れた行動力を持つ親目線ライター。5年を超えるキャリアを経て、新天地でさらなる高みを目指す娘の競技生活を「現在進行形」で全力サポートしている。これまでの道のりで、指導者や保護者間のリアルな人間模様、子どもたちが直面する葛藤を肌で感じてきた。今もまさにその渦中に身を置き、苦楽を共にしているからこそ紡げる「生きたエピソード」が最大の強み。現場のリアルな息遣いが伝わるコラムを執筆している。

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