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「手放したこと以上に大切にしたいことがある」テクノロジーも味方にした働き方

  • 2026.8.18
出典:シティリビングWeb

40歳といえば、キャリアや人生、あらゆる節目になる年代。どんな40歳になっていたい? 40歳の今どんなことを考えている? どんな40歳だった? 「40歳」をキーワードにあらゆる人々の「40歳」をひも解きます。多様性の現代で昔以上に正解はないからこそ、自分自身が納得できる「今」を見つけるきっかけに。

東京でキャリアを積み、結婚を機に出身地の東北にUターン。現在は東北2拠点のショールームを任されているLIXIL Advanced Showroomの高橋さんに話を聞きました。

出典:シティリビングWeb

LIXIL Advanced Showroom ショールームマネージャー 高橋さん/写真提供:LIXIL Advanced Showroom

LIXIL Advanced Showroom … 全国のLIXILショールームの運営管理を行っている。社員約1,400名のうち、女性が9割を占め、育児と業務を両立しやすいよう、制度を整えている。業界初となる「オンライン接客サービス」など、先進的なサービスをいち早く導入している。

「地元に戻る」という選択が、私のキャリアを支えてくれた

東京で働いていた頃から、いつかは地元・東北へ戻りたいという気持ちはありました。

結婚を機に29歳でUターンしましたが、不安はほとんどありませんでした。幸運なことに、転職せずに同じ仕事を続けられることもありましたし、勝手知ったる土地であることと、親が近くにいるという心強さがあったからです。

実際に子どもが生まれてからは、その選択は間違っていなかったと何度も感じています。母が子育てを手伝ってくれたり、夫の両親にも支えてもらえたり。本当に周囲の環境に恵まれているなと思います。

「無理なものは無理」そう気づいて、肩の力が抜けた

女性社員が約9割という会社なので、結婚や出産を理由にキャリアを諦めなくてもいい仕組みづくりは進んでいました。例えば、保育園の預け時間に合わせて始業時間を早めることを認めてくれるなどの事例があり、「こうすれば、もっと働ける」という社員の声が社長まで直接届く仕組みもあります。必要であればルールそのものを変えてくれる会社なんです。

それでも、一番苦しかった時期は、1人目の育休から復帰した直後でした。復帰と同時に初めてマネージャーになり、育児も仕事も全部初めて。毎日必死でした。

当時は「私が頑張れば何とかなる」と思っていました。でも、その頑張りには限界がありました。夫も育児との両立で体調を崩してしまい、「全部自分で抱え込むのは違う」と初めて気付いたんです。

そこからは、両親を頼り、ご近所のママ友にも相談し、家事も夫と分担するようになりました。

「無理なものは無理」そう認められるようになったことは、私にとってすごく大きな転機だったと思います。

出典:シティリビングWeb

ショールームでは、キッチン、バスルーム、トイレなどの住宅設備・建材の商品案内や空間提案を行っている/写真提供:LIXIL Advanced Showroom

頼ることは弱さじゃない。チームで成果を出すための選択

Uターンし数年後、2つのショールームを兼任することになりました。当時は前例もなく、相談できる相手もいませんでした。しかも片方は新しいチームをゼロから立ち上げるタイミング。物理的な距離もあり、本当に手探りでした。

でも、以前の私とは違いました。「全部自分でやろう」とは思わなかったんです。自分がすぐに現地へ行けないなら、現地で動ける人にお願いする。困ったらすぐ相談する。頼ることは甘えではなく、チームで成果を出すために必要なことだと考えられるようになりました。

遠くにいるからこそ、コミュニケーションは誰よりも丁寧に

現在、2つのショールームのマネージャーを務めていますが、片方は自宅から約2時間かかるため、どうしても遠隔操作がメインになります。オンラインでミーティングを行い、週に数回は現地へ足を運びますが、距離があるからこそ、現場の小さな変化には気付きにくい。だからこそ、「こまめなコミュニケーション」を心がけています。

「お互い様」があるから、誰も一人で抱え込まなくていい

私が大切にしているのは、「お互い様」の感覚です。

一緒に働く人たちには、子育てだけでなく、介護や趣味、推し活まで、それぞれ事情があります。だから、普段から「この人にはこんな事情がある」とお互いを知っておくことが大切です。知っていれば理解ができ、「今日は私がフォローするね」が自然にできます。逆に、自分が助けてもらう日もあります。

出典:シティリビングWeb

ショールームのスタッフは半数近くが子育て中のママ。「業務時間内で仕事を終わらせるための生産性」を一人一人が意識している/写真提供:LIXIL Advanced Showroom

テクノロジーを味方にする

それでもサービス業は、急な欠勤があると「迷惑をかけて申し訳ない」という気持ちになりやすい仕事です。そんな時に頼りになるのが「タブレット案内サービス」です。ショールームでお貸し出しするタブレットの画面越しにオンラインでご案内できるので、現地の人員不足をカバーできます。お客様にとっても、「必要なことだけ相談したい」「自分のペースで見学したい」というニーズに応えられる、新しい接客の形になっています。

テクノロジーは、人の代わりになるものではありません。しかし、人が無理をしなくていい環境をつくるためにおいては味方だと思っています。

手放したこと以上に、大切にしたいことがある

母になり、時間の使い方も変わりました。昔は自分の趣味が中心の生活でしたが、今は子どもたちが生活の中心です。自分の趣味ではなく、子どもの習い事に付き添い、応援することが楽しみになっています。自分の時間が減ったというより、「大切にしたい時間」が変わったといえます。

年齢を重ねると、何かを手放すこともあります。でも、その分、新しく大切になるものもある。だから「できないことが増えた」「自分の時間が減った」と悲観する必要はないと思っています。

チャレンジには得るものがある

働き方は、本当に変わっています。私が入社した頃は、ショールームの仕事は「子どもが生まれたら無理」という空気もありました。

でも今は違います。制度も、会社も、社会も変わっています。だからこそ、「会社員だからこうあるべき」「母親だからこうあるべき」という周りの価値観や風潮に流されなくていい。

大切なのは、自分はどう働きたいのか、自分はどう生きたいのかを常に思っていることです。答えは誰かが決めるものではありません。チャレンジには、必ず得るものがあります。だから私はこれからも、自分で選び、自分で納得できる働き方を続けていきたいと思っています。

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