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「どうして、ここなの?」プロポーズの場所は、思い出のない近所の公園でした

  • 2026.8.15
ハウコレ

「この公園、これから毎日通る場所になるから」プロポーズの返事より先に口をついた私の問いに、彼はそう答えました。

外食の帰り道、彼は駅とは反対にある、遊具が2つしかない公園の入り口で足を止めました。

遠回りの誘い

付き合って3年になる彼と、記念日の食事の帰りでした。「ちょっと寄っていかない?」と彼が指さしたのは、家の近くにある小さな公園。砂場と滑り台があるだけで、2人で来たことは一度もない場所です。友人から聞いた、夜景のレストランや旅行先でのプロポーズの話が頭をよぎりました。もしかして、という期待も浮かびましたが、さすがにこんな場所ではしないだろうと、すぐに打ち消しました。

ベンチの上の小さな箱

彼はベンチに座ると、リュックの奥から小さな箱を取り出しました。「結婚してください」。膝の上で箱を開いた彼の声は、練習してきたのがわかるほど硬いものでした。うれしいはずなのに、視界の端には自販機の明かりと錆びた滑り台が入ってきます。想像していた場面と、目の前の景色があまりに違いました。頷きながらも、口から出たのは感謝の言葉ではありませんでした。「どうして、ここなの?」

画面の中の間取り図

彼はしばらく箱のふたを触ってから、答えました。「この公園、これから毎日通る場所になるから」意味を測りかねている私に、彼はスマホを差し出します。画面には間取り図と、この公園の角にある建物の外観写真。「内見してきたんだ」2人で住む部屋を、彼は1人で探し始めていたのです。返事の代わりに、私は画面を拡大して、部屋を隅々まで確認しました。

そして...

帰り道、私たちは部屋のある建物を下から見上げました。花束もサプライズの演出もないプロポーズを、少しだけ恨む気持ちは今も残っています。それでも、あの公園の前を通るたびに、すこし緊張しながら私の左薬指に指輪をはめてくれた彼の指を思い出すのです。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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