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「読んで、やってる人もいるよ」いつも無口な私が、話し合いの席で拳を握って言い切った一言

  • 2026.8.14
ハウコレ

リビングで聞いた笑い声を、私はずっと打ち消せずにいました。話し合いの席で口を開いたとき、2人の視線が泳いだのがわかりました。

押せなかったスタンプ

四人で暮らすシェアハウスのチャットに、彼女からお願いが届きました。

「使ったあとのシンク、水滴だけ拭いてもらえると助かります」

もっともな内容でした。それなのにリビングでは、残る2人が「どうせ言うだけでしょ」と笑い合っていました。その場で否定する勇気が出ないまま、私は曖昧にうなずいてしまいました。スタンプを押せば、2人への当てつけに見える気がして、指は画面の上を往復するだけでした。

返事の代わりに

それでも、言われたことは事実でした。私はその日から、寝る前に台所へ行き、シンクの水滴を拭いてから部屋に戻るようにしました。彼女のお願いが増えるたび、ゴミ袋を補充し、傘立てを整えました。

返事の代わりに、先回りして済ませておく。それが私にできる精一杯でした。ただ、彼女の側から見れば全員に無視されているのだということに、私は向き合っていませんでした。

壁に貼られた紙

ある日、台所の壁に「シンクの水滴は各自で拭いてください」という貼り紙を見つけました。丁寧な字が、かえって彼女の我慢を物語っていました。その夜、私がシンクを拭いていると、水を飲みに来た彼女と目が合いました。ごまかす場面ではないと思い、「読んでたよ。全部」と口にしました。

「無視してたんじゃなくて、返事より先にやっておきたかった」

そして、リビングで見てきたことも、笑い声に加われなかった自分のことも、全部話しました。

そして...

話し合いの席で、2人が顔を見合わせたとき、私は自分から口を開きました。

「読んで、やってる人もいるよ。笑うのは違うと思う」

机の下で拳を握ったまま、それだけを言い切りました。2人は目を合わせないまま、順番に謝りました。当番表ができた今、彼女のお願いには、私が一番にスタンプを押すようにしています。

(20代女性・販売職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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