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「みんな歩いてるじゃん」エスカレーターで先に行く彼、人混みでよろけた私が伝えた一言

  • 2026.8.14
ハウコレ

連休の駅で、エスカレーターを歩いてきた人の鞄が肩に当たり、私は手すりにつかまって踏ん張りました。先に上っていた彼は気づかず、改札の前でスマホを見ていました。

転びかけたことよりも、彼が遠くにいることが引っかかりました。

いつも改札の前で待つ彼

付き合って2年になる彼とは、休日に隣町の映画館まで出かけることがよくありました。

駅のエスカレーターに乗ると、彼は決まって「先、上で待ってるね」と言い、歩いて上っていきます。私は手すりにつかまり、遠ざかる背中を見送っていました。

改札の前で合流すると、彼はスマホで上映時間を確認しています。彼が先に進んだだけなのに、待たせているのは私のような気分になりました。

「みんな歩いてるじゃん」

ある日、駅に「エスカレーターでは立ち止まってください」という掲示が出ていました。

私は彼に、「片側を空けるのって、本当はやめてほしいんだって」と伝えました。彼は掲示を見て、「みんな歩いてるじゃん」と笑いました。

私は掲示へ目を戻しました。歩かずに利用してほしい気持ちもありました。ただ、それ以上に、先に行かず近くにいてほしいと伝えたかったのです。

先で待っていた彼

連休の駅は、普段より多くの人で混み合っていました。彼はその日も先に上り、私の横を急ぎ足の人が次々と通っていきました。

そのうちの1人が持っていた鞄が肩に当たり、体が段の端へ傾きました。手すりにつかまり、足を置き直してから顔を上げました。

彼はすでに改札の前にいて、こちらに背を向けていました。ぶつかられたことより、私に起きたことを知らないまま待っている彼との距離が気になりました。

そして...

帰り道、彼と並んで歩きながら、私は前を向いたまま言いました。

「隣にいてほしいだけなんだけどな」

彼は少し間を置き、「次は、隣にいる」と答えました。

次の休日、彼は私より先へ行かず、エスカレーターでは同じ段に並びました。案内板に書かれた行き先を読み上げる声が、すぐ隣から聞こえました。

改札の前で待ってもらうより、同じ速さで進んでくれることがうれしかったのだと分かりました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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