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「読んでたよ。全部」チャットを無視し続けた同居人が、台所で口にした言葉

  • 2026.8.14
ハウコレ

話し合いの席で、いつも無口な同居人が先に口を開きました。「読んで、やってる人もいるよ」下を向いたのは、私ではありませんでした。

既読だけが並ぶお願い

シェアハウスに越して半年、四人での暮らしにはグループチャットが欠かせません。私はそこに「使ったあとのシンク、水滴だけ拭いてもらえると助かります」と送りました。

既読はすぐに四になったのに、返事はゼロ。翌日に別の同居人が映画会の誘いを流すと、数分でスタンプが3つ並びました。比べるつもりはなかったのに、画面を閉じたあとも、その差だけが頭に残りました。

貼り紙という強硬手段

それから何度か、ゴミ袋の補充や玄関の傘立てについてもお願いを送りました。結果はいつも同じでした。お願いの下にだけ、何も並ばないのです。軽んじられている。そう思い始めると、共有の台所に立つのも嫌になりました。

私はとうとう紙に「シンクの水滴は各自で拭いてください」と書き、壁に貼りました。チャットで言っても届かないなら、目の前に突きつけるしかないと思いました。

電気の消えた台所で

貼り紙をした日、水を飲みに台所へ向かうと、明かりの消えた流しの前に人影がありました。一番口数の少ない同居人が、私のふきんでシンクを拭いていました。

「読んでたよ。全部」

彼女は手を止めずに続けました。

「無視してたんじゃなくて、返事より先にやっておきたかった」

それから彼女は、リビングでの出来事を教えてくれました。私のお願いが流れるたび、残る2人が「どうせ言うだけでしょ」と笑っていたこと。それが嫌で、返事の代わりに手を動かしていたこと。乾いていた朝のシンクの理由を、私はやっと知りました。

そして...

週末、私は四人での話し合いを提案しました。当番の話になると、2人は顔を見合わせるばかりでした。先に口を開いたのは、いつも無口な彼女でした。

「読んで、やってる人もいるよ。笑うのは違うと思う」

2人は下を向き、小さく謝りました。今では壁の貼り紙が当番表に代わり、私のお願いの下には、3つの反応が並ぶようになりました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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