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「後から来た人の料理が先に出てない?」混雑の遅れを口実に長々とごねた客。だが、店長が丁寧かつ毅然と応じた結果

  • 2026.8.13

何度も繰り返された催促

私が働く飲食店では、昼どきになると一気に注文が重なることがあります。

その日も正午を過ぎたころにはほとんどの席が埋まり、厨房では次々と入る注文を順番に調理していました。

混雑時には料理の提供まで時間がかかるため、入口にはその旨を掲示し、席へ案内するときにもお客様へお伝えしていました。

そんな中、ひとりの男性客から声をかけられました。

「ねえ、まだなの?」

注文を受けてから、それほど長い時間がたっていたわけではありませんでした。

私は厨房へ確認したうえで、男性の席へ戻りました。

「申し訳ございません。ただいま順番にお作りしておりますので、もう少々お待ちください」

男性は不満そうな表情を浮かべましたが、そのときはいったん黙りました。

ところが数分すると、また呼び止められます。

「まだ来ないんだけど。後から来た人の料理が先に出てない?」

料理によって調理時間が異なるため、注文した順番と提供する順番が多少前後することはあります。

そのことを説明すると、男性は「ふーん」とだけ返しました。

私は急いで厨房へ戻りましたが、その後も何度か同じように声をかけられました。

「遅れたんだから何かつけろ」

しばらくして、ようやく男性の料理が完成しました。

「大変お待たせいたしました」

私が料理をテーブルへ置くと、男性は皿には手をつけず、こちらを見上げました。

「こんなに待たせたんだから、何かサービスくらいあるんだろ?」

私は一瞬、返答に詰まりました。

「申し訳ございません。私の判断では…」

すると男性はさらに続けます。

「じゃあ値引きでもいいよ。待たせたんだから、それくらい普通だろ」

何度謝っても、「遅かった」「気分が悪い」と同じ話が繰り返されます。

私だけでは対応が難しいと感じ始めたころ、やり取りに気づいた店長が席まで来ました。

「お待たせしてしまい、申し訳ございません」

店長はまず謝罪したうえで、男性の話を最後まで聞きました。

男性は店長にも、「これだけ待たせたなら一品くらい無料にするべきだ」と訴えます。

店長は少し間を置いてから、静かに答えました。

「本日は混雑しており、料理の提供までお時間をいただく場合があることは、ご入店時にもご案内しております」

男性が何か言いかけると、店長は続けました。

「もちろん、お待たせしたことについては申し訳なく思っております。ただ、今回の待ち時間を理由とした値引きや無料サービスは行っておりません」

言い方は丁寧でしたが、返答ははっきりしていました。

男性は「でも遅かっただろ」と食い下がりました。

それでも店長は声を荒らげません。

「ご不快な思いをさせてしまったことについてはお詫びいたします。ただ、ほかのお客様にも同じ基準で対応しておりますので、個別のサービスはいたしかねます」

しばらく沈黙したあと、男性は小さくため息をつきました。

「……分かったよ」

それ以上の要求はせず、ようやく料理に箸をつけました。

店長はもう一度「お待たせして申し訳ございませんでした」と頭を下げ、その場を離れました。

ただ謝り続けるのではなく、できないことはできないとはっきり伝える。

相手を刺激することなく、最後まで同じ姿勢を崩さなかった店長の対応を見て、接客では丁寧さと毅然とした態度の両方が必要なのだと感じた出来事でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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