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【2027春夏トレンド速報】北欧ミニマリズムを基盤にしたリアリティ。コペンハーゲン・ファッションウィーク総論

  • 2026.8.10
LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

コペンハーゲンは、ストリートスタイルやイットガールたちの存在を超え、私たちがどう服を着たいかを示すバロメーターとなっている。

2027年春夏シーズンのコペンハーゲン・ファッションウィークは、派手さを追求するよりも、独自の視点を研ぎ澄ませることに重きを置いているようだ。「パオリーナ ルッソ」をはじめとする一部のデザイナーたちはより大胆なアプローチを取り入れていたが、今季の決定的な変化はもっと繊細なもの。典型的なスカンジナビアン・ミニマリズムが至るところに見られた一方で、より幅広い感性や、明確な視点を持つ服を受け入れる余地も広がっていた。

現地時間の2026年8月3日から6日にかけて開催されたショーは、1月の昨シーズンから始まったコペンハーゲン・ファッションウィーク20周年アニバーサリーの後半戦を飾るものだった。「オペラスポーツ」や「マリメッコ」、「バウム ウンド ヘルガーテン」といった実力派ブランドがカレンダーに復帰したほか、「コリーナ ストラダ」や、ガリブ・ガサノフが手がける「インスティテューション」などの初参加ブランドも名を連ねた。

「インスティテューション」2027春夏コレクション LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

ミラノを拠点とするガサノフは、水曜日の朝、デンマーク国立美術館にて今季最もパワフルなコレクションのひとつを発表した。過去のシーズンで見られたアップサイクルのラグスカートは姿を消し、代わりにランウェイのカーペットとしてモデルたちの足元に敷かれていた。そしてルックとして登場したのは、ウエストを絞った完璧なカッティングのトレンチコートや、ボディラインをなぞるフォルチュニのようなプリーツが施された、床をすれすれに揺れる肩の力を抜いたコットンドレスだった。

このコレクションは、コントラストの探求でもあった。彼の故郷であるジョージアの伝統工芸から着想を得て、現地で調達し紡がれたウール糸を使用しつつ、ガサノフはそのインスピレーションを親しみやすいワードローブの原型へと落とし込んでいった。肩パッドを極端に入れて前後を逆さまにしたようなブレザーや、ソ連からの独立後に導入されたジョージアの補助通貨「テトリ」をスパンコールの代わりに用いたお出かけ用トップスが登場。その透かし模様は中世の鎖帷子(くさりかたびら)をほうふつとさせた。

「インスティテューション」2027春夏コレクション LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

美術館をショーの舞台に選んだ理由について、ガサノフはバックステージで次のように語っている。「美術館に展示されているものには、確かな価値があります。しかし、それがワードローブの中にあると、単なる服になり、私たちはその背後にある手仕事の価値を過小評価してしまいます。(ここでショーをすることは)クラフトマンシップを披露し、その価値を高めるためのアプローチなのです」

ファッションウィークの期間中、ひとつの問いが心に残っていた。今のデンマーク風スタイルとは何だろうか? その答えとして繰り返し浮かび上がったのは、「肩の力を抜いた自然体」だ。それを最も説得力のある形で表現していたのが「バイ マレーネ ビルガー」である。タッセルがあしらわれたファネルネックのジャケットや、カマーバンドでウエストを絞ったしなやかなペプラムトップスが、リラクシーなスカンジナビアン・スタイルをより洗練されたものへと昇華させていた。

クリエイティブ・ディレクターのエミリー・マーティンセン=ケーニヒスフェルトの実家である、市街地の北に広がる広大な邸宅で発表されたこのショーは、同ブランドにとって6年以上ぶりとなるコペンハーゲン ファッションウィークへの公式な復帰を飾るものだった。

「バイ マレーネ ビルガー」2027年春夏コレクション LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
「スカル スタジオ」2027年春夏コレクション  LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

ショーの終了後、マーティンセン=ケーニヒスフェルトは、「会場を選ぶ際、デンマークとコペンハーゲン・ファッションウィークへの帰還であると同時に、ブランド自身のヘリテージへと立ち返るようなホームカミングの感覚を大切にしました。だからこそ、フリーヘデンは当然の選択だったのです」と語った。原点回帰を体現するかのように、デンマーク出身のモデル、モナ・トゥガード(デンマークブランドのランウェイを歩くのは2023年以来)がショーのフィナーレを飾り、光の加減で移ろいゆく太陽を表現したカットアウトネックラインの、みずみずしいツヤ感を放つスリップドレスを見事に着こなしていた。

同日の初めには、「スカル スタジオ」のジュリー&マリー・スカル姉妹が、ミニマリズムにはまだロマンスの余地があることを証明してくれた。バターイエローやストライプポプリンのコテージコアなサンドレスには、ジェーン・バーキンのアイコニックなバスケットバッグへのオマージュとして、ヴィンテージの編みかごがスタイリングされていた。(“La Piscine”と名付けられたこのコレクションは、ジャック・ドレー監督による1969年の映画『太陽が知っている(原題:La Piscine)』からインスパイアされたもの。劇中では、バーキンがアラン・ドロンやロミー・シュナイダーと共演している。

「ハースキンド」2027年春夏コレクション LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

着やすさは常にダニッシュスタイルの中心にある。「ハースキンド」を手がけるビルギッテ・ハースキンドとアンドレア・ヘスの母娘デュオは、スーツジャケットのラペルに添えられたフェザーブローチなど、触感を刺激する装飾によってシャープなテーラリングを和らげていた。一方「MKDT スタジオ」では、親しみのある定番ワードローブが、繊細でシックなアップデートを通じて再構築されていた。

とはいえ、スカンジナビアン・スタイルにエキセントリックな要素がないわけではない。「スタジオ コンスタンス」では、逆さまになったようなパニエドレスに「ハワイアナス」のキトゥンヒールを合わせることで、さらにエッジの利いたアンバランスさを演出。この一週間、チェリーレッドのトングサンダルが至るところで見られたことを思えば、このシルエットはまさに北欧ワードローブの今季取り入れたいマストな存在として運命づけられているのかもしれない。

「スタジオ コンスタンス」2027年春夏コレクション LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

最終日の夜には、「ニクラス スコフガード」と、コペンハーゲン ファッションウィークにおける初のインターナショナル・ゲスト枠として登場した「コリーナ ストラダ」が、一週間を大盛況のうちに締めくくった。スコフガードはファッションを演劇のように仕立て上げ、モデルたちはヴィンテージカーに3人並んで乗って到着したのち、ランウェイへと足を踏み入れた。ザ・シャングリラスやザ・シュープリームスを筆頭とする1960年代のガールズグループのグラマラスなムードが、スコフガードの独自の視点を通して再解釈され、ツートンのギンガムチェックのベビードールドレスや、あえて開けたまま持つオーバーサイズのコインパースとして姿を現した。

自身が親しみを込めて「スコフガーデッツ」と呼ぶモデルたちに囲まれながら、バックステージでスコフガードはこう語った。「とてもフェミニンな女性像ですが、彼女にはエッジィな一面もあるのです。レザーを着ていても、そこにギンガムチェックが重ねられているように。シルエットは非常に流動的でありながら、しっかりとした構造を持っています。このコントラストこそがすべてなのです」

「ニクラス スコフガード」2027年春夏コレクション LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

目白押しのスケジュールは、80年代のムード漂うジョイフルな美学でコペンハーゲンのクールガールたちから愛される「カロ エディションズ」で最高潮に達した。同ブランドは、コペンハーゲン ファッションウィークが20年を経て何を象徴するようになったのかを、最もクリアに表現していたと言えるかもしれない。フィナーレではモデルたちが腕を組んでランウェイを歩き、ここではファッションが服そのものであると同時に、コミュニティを大切にするものであるということを、私たちに美しく教えてくれた。

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