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「こっち。順番、とっといたから入りな」運動会の場所取りで列に入ろうとした保護者。だが、夫の一言で空気が一変

  • 2026.8.10
「こっち。順番、とっといたから入りな」運動会の場所取りで列に入ろうとした保護者。だが、夫の一言で空気が一変

運動会の朝、校門脇にできた列

息子が小学生だった頃、運動会の日は昼休みに体育館が開放され、家族ごとにレジャーシートを敷いてお弁当を食べることになっていました。

体育館の場所は当日の先着順です。事前に学校から配られた案内には、「場所取りは午前七時半の開門後」「入場は並んだ順」と記載されていました。

その年、場所取りを担当したのは夫です。

夫が学校に着いたのは、開門のおよそ四十分前でした。

正門はまだ閉まっており、保護者の列は門の横にある塀に沿って延びていたそうです。

すでに二十人ほどが並んでいたため、夫も案内板で最後尾を確認してから列に加わりました。

列には、折り畳んだレジャーシートや座布団を持った保護者が並んでいました。

近隣の迷惑にならないよう、大声で話す人もなく、みんな静かに開門を待っていたといいます。

開門時刻が近づいた頃、正門の前に一人の男性がやってきました。

息子と同じクラスの子どもを持つ、夫も顔を知っている父親でした。

男性が列の横を歩いていくと、夫より十人ほど前に並んでいた知人らしき保護者が、手を上げて声をかけました。

「こっち。順番、とっといたから入りな」

男性は一度列の後方を振り返りましたが、そのまま知人の前へ入ろうとしました。

近くに並んでいた人たちは顔を見合わせたものの、知り合い同士のことだからか、すぐには声をかけられない様子だったそうです。

夫が案内板を指して伝えたこと

夫も、一瞬迷ったといいます。

しかし、列の最後尾には開門前から待っている人がまだ増え続けていました。

このまま途中から入る人が増えれば、並んでいる順番の意味がなくなってしまいます。

そこで夫は列から大きく動かず、前方の男性に聞こえるように声をかけました。

「すみません。途中からの合流はできないみたいですよ。最後尾は門の横です」

夫は、校門脇に立てられていた案内板を指しました。

そこには、「入場される方は最後尾からお並びください」と書かれていました。

すると、男性のすぐ後ろにいた保護者も、困ったような表情で続けました。

「私たちも、さっき最後尾を確認して並びました」

責めるような言い方ではありませんでしたが、男性はそこで足を止めました。

知人の保護者が「一人くらい大丈夫だと思ったんだけど」と小声で言うと、男性は首を横に振りました。

「いや、後ろに並ぶよ。ごめんなさい」

男性は周囲に軽く頭を下げると、塀沿いに延びた列の最後尾へ歩いていきました。

その後、予定どおり午前七時半に正門が開きました。

保護者は前から順に校内へ入り、昇降口を通って体育館へ向かいました。夫も家族三人で座れるだけの場所を確保できたそうです。

運動会を終えて帰宅した夫は、朝の出来事を私に話してくれました。

「注意するほどのことか迷ったけど、後ろにもずっと人が並んでいたからね」

言い争いになったわけでも、誰かを言い負かしたわけでもありません。

学校から示されていた案内を、落ち着いて確認しただけです。

それでも、早くから順番を守って待っていた人たちが、不公平な思いをせずに済んだことに、私はほっとしました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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