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「大丈夫だよ。けがはなかった?」コンビニで飲み物をこぼした子供。最終出勤日、子供が私にくれたものとは

  • 2026.8.8

応援で入った店舗で出会った親子

コンビニでアルバイトをしていた頃、私は人手が足りない系列店へ、応援スタッフとして入ることがありました。

その中に、自宅から少し離れた場所にある店舗がありました。何度か勤務するうちに、常連のお客様の顔も少しずつ覚えるようになっていったのです。

ある日の夕方、母親に手を引かれた小さな男の子が来店しました。

母親が会計をしている間、男の子は手に持っていた飲み物を落とし、床にこぼしてしまいました。

大きな音に驚いたのか、男の子はその場で固まり、今にも泣きそうな顔をしています。

母親も慌てて、何度も頭を下げました。

「すみません。すぐに拭きます」

私は清掃用具を取りに行きながら、男の子に声をかけました。

「大丈夫だよ。けがはなかった?」

男の子は黙ったまま、母親の後ろに隠れました。

床を拭き終えると、母親は改めて「ありがとうございました」と頭を下げ、男の子も小さな声で「ごめんなさい」と言いました。

私は「もう大丈夫だよ」と答え、その親子を見送りました。

会うたびに手を振ってくれるように

それからしばらくして、同じ店舗へ応援に入った日のことです。

あの親子が店にやってきました。

男の子はレジに立つ私を見つけると、母親の手を引きながら近づいてきました。

「この前のおねえちゃんだ」

そう言って、少し照れくさそうに手を振ってくれたのです。

それからも、勤務日が重なるたびに何度か顔を合わせました。

男の子は来店すると、レジの前で手を振ったり、その日に買ってもらったお菓子を見せてくれたりしました。

ほんの短いやり取りでしたが、私も次第に、その親子が来店するのを楽しみにするようになっていました。

やがて私は引っ越すことになり、その店舗へ応援に入るのも最後の日を迎えました。

以前、母親との会話で引っ越しのことを話していたため、その親子も私が辞めることを知っていました。

最後の勤務日の夕方、いつものように男の子が母親と一緒にやってきました。

「おねえちゃん、もう来ないの?」

「うん。今日で最後なんだ」

そう答えると、男の子は寂しそうにうつむきました。

母親が会計を済ませると、男の子は背中に隠していた小さな花束を差し出しました。

「これ、おねえちゃんに」

母親によると、男の子が自分で花を選び、前の日から用意してくれていたそうです。

「前に優しくしてもらったことを、ずっと覚えていたみたいで」

私は花束を受け取り、男の子に「ありがとう」と伝えました。

男の子は少し恥ずかしそうに笑い、帰り際まで何度も手を振ってくれました。

仕事をしていれば、思うようにいかない日もあります。

それでも、あの日にもらった小さな花束を思い出すと、人と接する仕事を続けていてよかったと思えるのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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