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【大濠公園・福岡市美術館】博多で愛され200年 人柄に触れる「仙厓展」

  • 2026.8.7

こんにちは!リビングふくおか・北九州Web地域特派員のよんななです。

福岡市美術館で毎年開催され、多くのファンが楽しみにしている「仙厓(せんがい)展」。今年も7月29日より、1階・古美術企画展示室にて仙厓の魅力に触れられる展覧会が始まりました。

今年のテーマは「福岡のレジェンドコレクターズ」。 仙厓の作品だけでなく、それらを大切に集め、守り、今へ伝えてきたコレクターたちにもスポットを当てた内容となっています。作品の見方がぐっと広がる、興味深い企画です。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

会場は1階の古美術企画展示室。他にも福岡にちなんだ展示が見られます

福岡で愛され続ける禅僧・仙厓

江戸時代後期、日本最初の禅宗寺院とされる博多・聖福寺の住職を務めた仙厓義梵(1750~1837)。「博多の仙厓さん」と親しまれ、ユーモアあふれる禅画や書を数多く残しました。 丸みのある犬や思わず笑顔になる表情の人物など、かわいらしく親しみやすい作品は今も多くの人に愛されています。 今回お話を伺った福岡市美術館 学芸課の宮田さんによると、住職時代は修行や弟子の指導のために描くことが多く、真面目な作品が中心だったそう。一方、引退後は地域の人から頼まれて絵を描く機会が増え、誰にでも伝わるような、やさしく親しみやすい表現へと変化していったといいます。 その背景を知ると、一見かわいらしく見える作品もまた違った印象で楽しめます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

一番人気といってもよい「犬図」は博多の和菓子店・石村萬盛堂 2代目・石村善右氏のコレクション

「誰が集めたのか」にも注目

福岡市美術館では毎年10月7日の仙厓の命日の前後に毎回異なった切り口で仙厓展を催しており、今回の展示では、作品だけでなくコレクターにも焦点が当てられています。 実は仙厓は、今以上に大正から昭和にかけて大きなブームとなった時代がありました。その熱狂を支えたのが福岡のさまざまなコレクターたち。 研究者、経営者、アーティストなど、それぞれ異なる立場で福岡において活躍された人々が、どのような仙厓作品を集めてきたのかが紹介されています。 「かわいいから集めた人」「思想に惹かれた人」「人物そのものを好きになった人」など想像でき、コレクションの違いからそれぞれがどんな仙厓に惹かれたのかが見えてきます。同じ仙厓でも、こんなに好みの方向性が違うのかという驚きもあり、コレクターの方々にまで興味が及びます。今でいう「推し活」のように、仙厓への深い愛情が伝わってきました。 書画だけでなく私物なども収集されていて、中でも仙厓の残した手紙からは仙厓のひととなりが推しはかれるようです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「放屁図写し」は仙厓作品のコレクターでもある日本画家 冨田溪仙による仙厓の手にそっくりな“写し”

出典:リビングふくおか・北九州Web

「蟇図」は江戸時代から続く造り酒屋・萬屋を営む加野家に伝わったもの。その理由とは…

出典:リビングふくおか・北九州Web

詳しい解説が書画の印象をより深いものにしてくれます

作品の横には「N総館長」や「M学芸員」のコメントも添えられています。作品の内容や背景など詳しく面白い視点で書かれているので、楽しみがぐっと広がります。私も展示を見ながら、「子孫繁盛図」など、解説を読み、立ち止まって見入ってしまう作品がいくつもありました。 宮田さんは「仙厓は教えを上から説くのではなく、人と気持ちを分かち合うことを大切にしていたのではないか」と話します。

出典:リビングふくおか・北九州Web

今回お話を伺った学芸員の宮田さん

出典:リビングふくおか・北九州Web

「子孫繁栄図」博多で暮らす親子の書画に込められた思いにあたたかな気持ちになりました

人柄まで好きになる展覧会

今回の「仙厓展」で感じたのは、「仙厓は本当に多くの人に愛されてきた人物だったんだな」ということです。取材前は『かわいい書画を描く禅僧』という印象でしたが、帰る頃には『博多の人々に愛され続けた人』という印象に変わっていました。

生前は地域の人々から親しまれ、作品を頼まれる存在だった仙厓。その後も地元の人々によって保存活動が行われ、多くの作品が受け継がれてきました。

今回の展示では、そんな人と人とのつながりも感じることができます。 かわいらしい作品に癒やされるのはもちろん、その背景にある人柄や、作品を守り続けてきた人たちの思いにもぜひ注目してみてください。

出典:リビングふくおか・北九州Web

ミュージアムショップではさまざまな仙厓さんグッズが。宮田さんも愛用されているクッション

取材では作品の背景や仙厓の人柄について興味深いお話をたくさん伺いましたが、記事では紹介しきれない魅力もたくさんありました。「もっと仙厓について知りたい!」という方は、福岡市美術館YouTubeチャンネルで公開されている宮田さんの講演動画(イチからわかる!博多の仙厓さん)もおすすめです。展示を見る前でも後でも楽しめますよ。


福岡市美術館
コレクション展 古美術 「仙厓展」 ●会場:古美術企画展示室 ●会期:2026年7月29日(水)〜11月29日(日) ※前期、後期で大幅な展示替えあり。前期展示は9月27日(日)まで ●開館時間:午前9時30分~午後5時30分 7月~10月の金・土曜日は午前9時30分~午後8時 ※入館は閉館の30分前まで。 ●休館日:月曜日 ※月曜日が祝日・振替休日の場合はその後の最初の平日 9月21日(月・祝)、9月22日(火・祝)、9月23日(水・祝)、10月12日(月・祝)、11月23日(月・祝)は開館し、9月24日(木)、10月13日(火)、11月24日(火)は休館 ※展示替えに伴う体室・臨時休館日や特別開館日につきましては、公式ウェブサイトよりご確認ください。 ●料金:1F・2F共通のコレクション展示観覧は一般 200円
https://www.fukuoka-art-museum.jp/

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