1. トップ
  2. 夏は高温予想も今年の残暑は厳しくない?夏~秋の傾向を気象予報士が解説

夏は高温予想も今年の残暑は厳しくない?夏~秋の傾向を気象予報士が解説

  • 2026.8.6

西日本~東日本を中心に、梅雨が明けてから厳しい暑さが続いています。最新の3か月予報によると、8月は全国的に高温傾向が強いものの、9月に入ると気温は平年並みに落ち着いてくる見通しです。その一方で、10月は全国的に気温が平年並み、または高めとなっており、本格的な秋の訪れはゆっくりとなりそうです。

今回は、最新の3か月予報をもとに、夏から秋にかけての気温変化、残暑の傾向を解説します。

8月は高温予想で厳しい暑さが続く

気象庁が7月21日に発表した3か月予報によると、8月は太平洋高気圧や地球温暖化に伴う大気全体の温度上昇により、全国的にかなり厳しい暑さが続く見通しです。すでに7月中旬から西日本や東日本を中心に猛烈な暑さが続いていますが、8月中もその勢いは衰えそうにありません。特に東日本や西日本、沖縄・奄美では平年より気温が高い確率が50%に達しており、引き続き厳しい猛暑への厳重な警戒が必要です。

9月は平年並みで残暑は和らぐ見込み

9月に入ると、北日本・東日本・西日本の平均気温は「ほぼ平年並み」に落ち着く予想となっています。これは、偏西風が日本付近でやや南寄りを流れやすくなり、太平洋高気圧やチベット高気圧の北への張り出しが弱まる見込みとなっているためです。

近年は9月に入っても厳しい暑さが続く傾向がありましたが、例年に比べると残暑は和らぎそうです。ただし、暑さのピークを越えるとはいえ、平年並みの暑さとなるため、油断せず体調管理に気をつける必要があります。

10月は高温傾向で季節の歩みは遅い

10月は全国的に平年並みか高い予想となっており、秋の深まりはゆっくりとしたペースで進む見込みです。

なお、今年はエルニーニョ現象が発生しており、秋にかけて継続する予想となっています。エルニーニョ現象が発生した年の秋は、本来であれば西日本を中心に低温傾向になりやすい特徴があります。しかし今年は、地球温暖化等の影響によってもともとの地球全体の大気温度が高い状態にあるため、10月は十分に気温が下がり切らず、全国的に平年より高めの気温が続く見込みです。

<こちらの記事もよく読まれています!>→地震雲って本当にある?変わった形をした雲の正体

<こちらの記事もよく読まれています!>→地震は人の手で起こせる?人工地震の正体とは……専門家に聞きました

降水量はほぼ平年並み

8月から10月にかけての降水量は、全国的にほぼ平年並みとなる見込みです。月別で見ても、8月・9月・10月ともに北日本から沖縄・奄美に至る広い地域で平年並みの確率が高くなっています。

ただし、平年並みだからといって油断はできません。秋にかけては秋雨前線や台風の影響を受けやすい時期に入ります。集中豪雨や台風の接近などには、例年通りしっかりと備えておくことが大切です。

今年の夏から秋は台風の動きに警戒が必要

今年の夏から秋にかけては、台風の動きに例年以上の警戒が必要です。3か月予報では、エルニーニョ現象の影響などにより、日本付近への太平洋高気圧の張り出しがやや弱いと見込まれています。

台風は通常、太平洋高気圧の縁に沿って移動します。太平洋高気圧の勢力が強いと台風は日本列島に近づきにくくなりますが、張り出しが弱いと太平洋高気圧の縁が日本付近にかかりやすくなり、日本に接近・直撃しやすくなります。

特に9月は例年、年間を通してもっとも台風が発生しやすい時期のひとつにあたるため、このタイミングで高気圧の縁が日本付近にかかると、台風の接近数や上陸数が増える可能性があります。さらに、エルニーニョ現象が発生している年は、例年に比べて南東側で台風が発生しやすい傾向があります。

遠くで発生した台風は、日本に接近するまでに海面から水蒸気を吸い上げる時間が長くなるため、強い勢力を保ったまま日本へ近づくリスクが高まります。降水量自体は全国的に平年並みと予想されていますが、台風の接近数や上陸数によっては平年を上回る大雨になる可能性もあるため注意が必要です。

エルニーニョ現象は継続する見込み

気象庁が2026年7月10日に発表したエルニーニョ監視速報によると、春から発生しているエルニーニョ現象は11月にかけて続く可能性が100%と予測されています。

さらに9月~10月以降はエルニーニョ現象の基準値が+3.0℃を超えて上昇する見込みです。

この基準値とは、太平洋の監視海域となっている場所の水温が、例年よりも3.0℃以上高いという状態です。そもそもエルニーニョ現象は赤道付近で吹いている東寄りの風が弱まることで、例年なら西に寄せられている暖かい海水が東に流れ出す現象です。

通常、この監視海域の水温が例年より0.5℃高くなった状態が続くとエルニーニョ現象と判定されますが、+3.0℃という数値は発生基準の6倍に達します。

エルニーニョ現象によって、地球規模での大気循環の変化が大きくなると、日本付近でも秋にかけての気温や台風の動向、さらには冬の降雪量なども通常とは異なる影響を及ぼすおそれがあります。

また、過去最大となった1997年春~1998年夏の+3.6℃を超える可能性も高まっており、いつものエルニーニョ現象に比べても、地球規模での大気循環の乱れや異常気象のリスクが懸念されます。

引き続き「今年の気候は例年と異なる可能性が高い」ことを念頭に置き、最新の気象情報をこまめにチェックしましょう。

<こちらの記事もよく読まれています!>→防災まんが(もし お風呂で②)

<こちらの記事もよく読まれています!>→酷暑日とは? 猛暑日との違いや40℃以上になりやすい地域の特徴、備えるポイントを紹介

<執筆者プロフィル>
田頭孝志
気象防災アドバイザー(国土交通大臣委嘱)

田頭気象予報士事務所代表。愛媛の気象予報士・防災士。防災や気象関連の記事執筆をはじめ、テレビ番組の監修、防災教材開発などを行う。BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ