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「周りを見てからドアを開けて」と言う彼を疑った私が、玄関で知った本当の理由

  • 2026.8.6
ハウコレ

玄関先で住人に呼び止められた私を、彼は部屋へ引き入れました。

鍵を閉めた彼にぶつけた一言で、彼が抱えていた過去が動き出します。彼の部屋の玄関には、いつからか、私の靴をしまうための箱が置かれるようになっていました。

増えていく約束

訪ねる日は事前にメッセージで知らせること、玄関ではなるべく声を出さないこと。付き合って2年になる彼の注意は、少しずつ増えていきました。帰り際に決まって言われるのは、いつも同じ言葉です。

「周りを見てからドアを開けて」

最初のうちは用心深い人だと思うだけでした。でも靴を箱にしまわれ、傘の置き場所まで指定されるうちに、私は自分が彼の生活から消されているような気がしてきました。

玄関先の質問攻め

ある日、約束より早く着いた私は、彼の部屋の前で呼び鈴を押そうとしていました。そこへ斜向かいのドアが開き、年配の女性が笑顔で近づいてきました。

「あなた、最近よく見かけるわね。お名前は?どのお部屋にご用?」

返事に迷っていると、質問は勤め先や帰る時間にまで及びました。そのとき内側から玄関が開き、彼が私の腕を引きました。

「すみません、急いでいるので失礼します」

部屋に入った彼は、鍵を閉めてから長く息を吐きました。私の中では、別の感情が膨らんでいました。やっぱり私は、見られたら困る存在なんだ、と。

彼が守っていたもの

「私のこと、そんなに隠したいの」

声が尖るのが自分でも分かりました。彼は首を横に振り、初めて過去の話をしました。

「隠したいんじゃない。君を、前と同じ目に遭わせたくなかったんだ」

以前お付き合いしていた人が、あの住人に名前や勤め先を聞き出され、撮られた写真をご近所に見せて回られたこと。その人が人目を気にして外を歩けなくなり、彼のもとを離れていったこと。靴の箱も、あの言葉も、全部その後に始めた習慣だと知りました。

そして...

彼は今、2人で住むための部屋を探しています。候補の物件の内見の帰り道、彼は初めて、駅から部屋まで私と並んで歩きました。玄関に、靴の箱はもう要りません。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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