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「昨日の夜、駅前のスーパーにいたね」スポーツジムで出会っただけの男→近すぎる距離感に退会を決意

  • 2026.8.5

笑顔で近づいてくる会員

通っていたスポーツジムに、いつも顔を合わせる四十代後半の男性会員がいました。

すれ違うたびに軽く会釈をする、その程度の間柄です。

「今日も来てたんだね」

更衣室の前でそう声をかけられても、はじめは世間話の延長だと思っていました。

ところがある日、彼は笑顔のまま、思いがけないことを口にしたのです。

「昨日の夜、駅前のスーパーにいたね」

心臓が、ひやりと縮みました。

自宅の場所も、買い物をする時間も、彼に話した覚えなど一度もありません。

「よく行くの、あの店」

悪気のない口ぶりが、かえって不気味でした。それからというもの、ジムの帰り道でふと振り返る癖がつきました。誰かに見られているような気がして、家に着くまで落ち着かないのです。

彼は会うたびに、質問を重ねてくるようになりました。

「昨日はジムに来なかったね。どうしたの」

「いつも同じ道を歩いてるよね。気をつけたほうがいいよ」

私が曖昧に笑って言葉を濁しても、まるで気にする様子がありません。

困った顔をしてみせても、彼は一歩、また一歩と距離を詰めてきます。

「そんなに構えないでよ。心配してるだけなのに」

その心配という言葉が、いちばん怖いのだと、彼は気づいていないようでした。

悪意を向けられるより、笑顔で見張られているほうが、ずっと背筋が凍るのです。私は通う時間帯を、思い切って変えることにしたのです。

変えたはずの時間に

しばらくは、顔を合わせずに済みました。これで終わったのだと、ようやく肩の力が抜けかけた、その一週間後のことです。

「最近、時間が変わったんだね。心配したよ」

新しくずらしたはずの時間帯に、彼はまた、そこに立っていました。私が何も答えられずにいると、彼はなおも笑いかけてきます。

「前の時間には、もういなかったよね。どこか具合でも悪いのかと思って」

「なかなか会えないから、探しちゃった」

血の気が引くとは、こういうことなのだと思いました。私の行動は、どこまで見られているのだろう。自宅や職場までついて来られたら。想像しただけで、指先が冷たくなりました。

それ以上は、何も問い詰めませんでした。刺激して逆上されるのが、いちばん怖かったからです。

私はその月でジムを退会しました。

あれから二年が経ちます。それでも今も、地元の駅前を通るときは、あの笑顔とすれ違わないかと、つい足が早くなるのです。夜のスーパーの灯りが目に入るたび、あの穏やかな声が、今も耳の奥でよみがえるのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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