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母の死後、相続税を申告した50代息子→「問題なく受理された」と思いきや…3年後、税務署から届いた“600万の通知”に絶句。

  • 2026.8.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。金融機関のマネージャーとして家計や資産のご相談に向き合っている中川です。

「専門の税理士に依頼して期限内に納付も済ませたから、相続手続きはこれで完了だ」

母親の相続を終えた50代のTさんは、そう安心し切っておられました。しかし約3年後、税務署から突然の連絡が届きます。実地調査の結果、1,800万円にも及ぶ財産の申告漏れを指摘され、600万円もの追徴課税を求められる事態へと発展してしまったのです。

今回はTさんの事例をもとに、専門家へ頼んでも防ぎきれない申告漏れの原因や、税務調査で狙われやすいポイントについて解説します。

「税理士に頼んだから大丈夫」と思っていた

Tさんは50代男性の会社員。70代のお母さまを病気で亡くされ、ご兄弟と相続手続きを進められました。

相続税の申告は、不慣れな手続きが続くため税理士に依頼。提示された財産目録に沿って申告期限の10か月以内に申告と納税を済まされたといいます。

「税理士の先生にお願いしましたし、書類も問題なく受理されました。これで終わったと思っていました」

それから3年近くが経ち、税務署から「相続税についてのお尋ね」という文書が届きました。申告内容に確認したい点があるときなどに送られてくる、税務署からの問い合わせです。

「税務調査というものを意識したことがなく、最初は何かの確認だろうと気軽に考えていたんです」

このお尋ねへの回答を進めるなかで、後日、税務署による実地の税務調査に発展し、申告内容が詳しく確認されることになりました。

申告漏れ財産1,800万円を指摘された3つの項目

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

実地の税務調査で指摘されたのは、合計で1,800万円規模の申告漏れ財産でした。

一つ目は、お母さまが知人へ貸し付けていた「貸付金」。請求書のような書面は残っていなかったものの、通帳に「同額のお金の動きと利息相当の入金」が継続的にあり、金銭消費貸借として認定されました。

二つ目は、お父さまが生前にご契約された「生命保険の契約者地位」。お父さまが先にお亡くなりになった際にお母さまが契約者を引き継いだまま放置されていて、お母さまが亡くなったタイミングでも相続財産として申告漏れになっていました。

三つ目は、お母さまが海外口座で保有していた「外貨建ての金融資産」。日本国内の取引明細には現れず、当初の財産目録に載っていなかった項目でした。

「税理士の先生が悪いというより、私たち家族側でこれらの情報を共有できていなかったというのが正直なところでした」

「追徴課税600万円」本税+過少申告加算税+延滞税

申告漏れ財産1,800万円について再計算された本税に加えて、過少申告加算税と延滞税が課されました。

過少申告加算税は、追加で納めることになった税額の10〜15%程度が課される税金です。悪質な隠ぺいと認定された場合の重加算税は、期限内に申告した上での過少申告に対するものが35%、期限後も申告していなかった場合に対するものが40%とさらに重くなります。Tさんのケースは隠ぺいの意図は認められなかったものの、過少申告加算税は適用されました。延滞税も法定納期限から計算されるため、3年近い期間の延滞税が請求されました。

Tさんのご家族は元の遺産規模が比較的大きく、相続税の税率が高い区分になっていました。合算された追徴課税は約600万円。

「相続税は申告と納付で終わりだと思い込んでいました。3年経って請求されるなんて、想像していませんでした」

Tさんはそう振り返ります。

専門家任せにせず家族で財産を把握し税務調査に備えよう

相続税の申告書を提出して納付を済ませても、税理士が故人のすべての資産状況を完璧に把握できるわけではありません。

知人への貸付金や未解約の生命保険契約、海外口座などの確認しづらい財産は、後日の税務調査で申告漏れと判断され、加算税や延滞税を含む重い追徴課税を招くリスクがあります。

後悔しないためにも、申告期限である10か月以内に家族間で通帳の出金履歴や契約状況を念入りに点検することが不可欠です。申告完了で終わったと考えず、後年の調査まで見据えて故人の財産を正確に整理・共有しておきましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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