1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「息子たちが揉めないように」遺言書を作成していた70代父→4年後、3兄弟を襲った“2,000万円”の争族トラブル【元銀行員は見た】

「息子たちが揉めないように」遺言書を作成していた70代父→4年後、3兄弟を襲った“2,000万円”の争族トラブル【元銀行員は見た】

  • 2026.9.13
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

家族が相続で揉めないよう、元気なうちに「遺言書」を作成しておく人は少なくありません。家族関係が複雑であったり、遺産が多かったりする場合には、遺言書の存在は特に重要になります。

しかし、遺言書の内容に不備や漏れがあった場合、思わぬトラブルに発展してしまう可能性も。今回は、遺言により相続トラブルを招いてしまった男性の事例を紹介します。

「息子たちに揉めてほしくない」遺言書を作成した男性

70代の男性・Aさん(仮名)は、不動産を含めて1億2,000万円の資産を保有していました。

2年前に病気を患ったことをきっかけとして、終活について考えるようになったそうです。

妻は他界していたため、相続人となるのは息子3人。しかし、息子たちは以前から折り合いが悪かったといいます。

「息子たちが相続で揉めるのではないかと心配で、遺言書を作成することにしたんです。長男にはいずれ土地を譲る約束をしていたため、それも含めて遺産の分割方法を記載しました」

Aさんが指定した具体的な遺産の分割方法は、以下のとおり。

  • 長男:現金3,000万、土地1,800万円
  • 次男:現金3,600万
  • 三男:現金3,600万

遺言書を作成したあと、息子たちそれぞれと連絡を取ったAさん。内容を伝えたうえで全員から了承を得られ、安心していたそうです。

Aさんの死後、遺言外の投資信託“2,000万円”が見つかり…

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

4年後、Aさんの病死により相続が発生。

息子たちが遺言通りに相続手続きを進めようとしていたところ、Aさんが保有していた「2,000万円の投資信託」が見つかりました。この投資信託は遺言書に記載されておらず、Aさんが遺言作成時に見落としていた資産です。

長男が「投資信託は3人で平等に分けよう」と提案するも、次男は納得いかない様子。

「長男は遺言で俺たちより多く財産を受け取ることになってるし、この投資信託まで3等分するのは不公平じゃないか?せめて俺と三男の取り分を多めにしてほしい」

二人の意見が対立し、この日は結論が出ませんでした。

遺言書にない財産が見つかったことで、結果として争いに発展してしまった今回の相続。「最終的には話し合いで解決したい」という考えは共通していたため、その後は時間をかけて協議することにしたそうです。

遺言書の作成時は「財産の記載漏れ」に注意

遺言書に記載されていない財産については、相続人間の協議によって分割方法を決定することになります。

思わぬ記載漏れがあった場合、その分割方法を巡って「争族」につながる可能性も。遺言書を作成する際は、ご自身の財産について漏れなく記載できているかを必ずチェックしましょう。

また、遺言書を作成した後で、新たに財産を取得するケースもあるでしょう。

その場合は元の遺言書に追記したり、新たに遺言書を書き直したりすることで対応可能です。ただし、追記の際は形式不備に注意が必要です。家族に安心して財産を引き継いでもらうためにも、遺言書の作成時は財産の洗い出しを慎重に行いましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ