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試着室に別の服を3度も差し出した私→お客様が放った鏡越しの一言で気づいた押し付け

  • 2026.8.4
ハウコレ

良かれと思って重ねた提案は、いつのまにか押し付けになっていました。お客様の一言で、ご提案の仕方を改めようと決めた日の記録です。

別の1着を差し出す、と決めた数年前

前の職場で、あるお客様に本当に似合う1着を勧められないまま会計を通したことがあります。数日後、そのお客様がその服を返品しに来られた場面が、今も頭のどこかに残っています。だから今の店では、着用シーンに合わないと感じたときは声をかけるようにしていました。休日、青のワンピースを手に取られたお客様に、私は「そちらより、こちらはいかがですか」と別のセットアップを差し出しました。

3度、別の服を勧めた

1度目は試着前に。2度目はカーテン越しに「もう1着、こちらも試してみませんか」と。3度目は鏡の前で「やっぱりこちらの方がお似合いだと思うんですが」と重ねました。ドレープの流れる青は綺麗ですが、椅子の多い二次会では立ち座りで裾のラインが崩れやすいのです。ベージュのセットアップは動きに合わせやすく、写真映えも損なわない。良い提案ができていると思っていました。それでも、お客様の表情は、2度目のあたりから明らかに硬くなっていたのです。

「自分で選びたいので」の一言

鏡越しに向き直られたお客様の声は、はっきりと届きました。「自分で選びたいので、少し見させてもらえますか」。私は少し間を置いてから、「失礼しました」と一歩引きました。良かれと思っていた提案が、いつのまにか押し付けになっていたのだと、その一言で気づきます。青のワンピースを選ばれたお客様の背中を、私はレジの向こうから見送りました。

そして...

あの日から、別の服を勧める前に一度、お客様がその服の何を気に入ったのかを聞くようにしています。

似合うと信じた1着を伝えることと、選ぶ権利を奪わないこと。両立させるのは、思っていたより難しい。それでも、お客様に喜んでもらえるような接客を努めたいと思います。

(30代女性・アパレル販売員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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