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4151日の活動を終えた【元トップアイドル】が、ブランドを率いる代表取締役になるまで

  • 2026.8.19
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2017年2月、「22;market」プレスレビューを行った小嶋陽菜(C)SANKEI

2017年2月、AKB48の卒業コンサート「こじまつり」で、ステージに立つだけでなく舞台の制作や演出まで手がけた人物がいる。小嶋陽菜だ。

華やかな衣装をまとい、大勢の視線を集めてきたアイドルが、自分の卒業の場では見せ方を決める側にも回った。その後の小嶋の歩みを追うと、服を着る人からブランドを動かす人へ、立つ場所が少しずつ変わってきたことが見えてくる。

アイドル時代から「つくる側」にいた

小嶋は2005年、AKB48の第1期生として活動を始めた。2008年には高橋みなみ、峯岸みなみとユニット「ノースリーブス」を結成。グループ活動と並行して、『MAQUIA』『sweet』などの女性誌でモデルを務め、企業のイメージキャラクターとして商品を伝える役割も担った。

一方、卒業が近づくにつれて、自ら企画する仕事も目立っていく。2016年11月には、AKB48劇場で小嶋陽菜プロデュース「好感度爆上げ」公演がスタート。出演者や楽曲が集まる劇場公演そのものに、自分の名前を掲げた。

翌2017年2月の「こじまつり」では制作と演出に入り、同じ月にはラフォーレ原宿で期間限定ショップ「22;market」をプロデュースした。店には本人監修のグッズだけでなく、クリエイターやデザイナーとのコラボ商品も並んだ。公演、コンサート、ショップと形は違っても、小嶋は人に何をどう見せ、どんな時間を持ち帰ってもらうかを考える仕事を重ねていた。

公開できなかったアプリ

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※2017年撮影、小嶋陽菜(C)SANKEI

卒業コンサートから約2カ月後の2017年4月19日、小嶋はAKB48劇場で卒業公演を行い、4151日に及ぶアイドル活動を終えた。卒業時には、ファッションの仕事を長く続けたいという思いも語っている。

卒業後、まず公開したのは自身のファッションを集めたサイト「harunakojima is」だった。さらに、生活や好みを共有し、ファンと交流しながら商品も買えるアプリ「PLAY」を構想する。しかし、運営体制が整わず、アプリは公開を断念した。

それでも企画のすべてが消えたわけではない。アプリ開発と並行して作っていた服を販売すると、そこから2018年6月にライフスタイルブランド「Her lip to」が始まった。最初から完成されたアパレル会社を描いていたのではなく、メディアとアプリを試し、残った服を届けたことがブランドの出発点になった。

商品だけでなく「組織」もつくる

ブランドの反響が大きくなるにつれ、生産や管理を支える組織が必要になった。2020年1月、小嶋はheart relationを共同創業。2022年には代表取締役CCOに就任し、役割を分ける体制になった。

CCOとして担うのは、名前を貸して広告に立つことだけではない。同社は、小嶋が全アイテムの商品企画やクリエイティブ制作に携わり、ブランド運営全体を担うと説明している。アパレルに加え、ビューティー、ランジェリー、コンセプトストアへと領域が広がるなか、専門家や社内の仲間と組みながら世界観を形にしている。

2024年にheart relationはyutoriグループへ参画し、2026年4月には同社の100%子会社となった。小嶋は代表取締役CCOを続け、会社の所有関係が変わったあとも商品とクリエイティブの中心にいる。

舞台からブランドの体験へ

Her lip toは服だけにとどまらない。店舗空間や期間限定イベント、ビューティーやフェムケアの商品まで、客がブランドに触れる入口を増やしてきた。2026年夏には六本木ヒルズでアイスクリームやドリンク、限定アイテムを楽しめる企画も展開された。

かつて卒業コンサートで舞台をつくり、期間限定ショップで商品と空間を組み合わせた小嶋は、いま会社という組織でブランドの見え方を決めている。ステージの中央に立つ仕事から、商品、店、イベントを通して人の気分を動かす仕事へ。4151日のアイドル生活を終えたあとも、小嶋陽菜が続けてきたのは、自分が美しいと思うものを、誰かに届く形へ変えることだった。


※記事は執筆時点の情報です

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